第11夜「プロ野球ファミリースタジアム」の衝撃

「ファミスタ」は、まさに野球ゲームのパイオニアだった。
あんまり鳴り物入りで雑誌には紹介されていなかったにもかかわらず発売当初から入手困難で、近所のデパートに一本だけ残っていたのを見つけたときは、かなり嬉しかったのを覚えている。

僕は中学校一年だったのだが、引っ越してすぐのときで、ファミスタを買った日に小学校時代の同級生たちがちょうど来ていて、とにかくお昼から夜遅くまで、ひたすら遊び続けていた。
さすがに夜になると、もう帰ってくれ〜と思いつつも、みんな帰った後もず〜っと一人でファミスタやってましたが。

ピッチングの駆け引きの面白さと、守備が自分で動かせること。そして、選手それぞれに個性があるということがファミスタの魅力でした。

最初は、「レールウエイズ」なんて、南海と阪急と近鉄が一つのチームにまとめられてたんだよねえ。僕はレールウエイズの山田が大好きで、あの美しいサブマリン投法に感激してました。3チームの寄せ集めだけあって、けっこう強かったしね、レールウエイズ。
でも、この3球団のうち、2つはもう名前が変わってます。これも一つの先見の明?転がせばヒットの「ぴの」の快速など、今でも忘れられない…

まあ、このゲームの難点といえば、野球盤と同じで、フォークという打てない球があるってことでしょうか。スタミナが無くなると、落ちなくなって棒球になるっていう工夫はされていたけれど。落ちる球をうまく表現したのが、「パワプロ」ということになるのですが。

同時代の「ワースタ」は、絵は綺麗だけど、大味で今ひとつでした。
もとがアーケード版だったので、三振しまくるようなバランスじゃ困るんだろうけど。
ほんとに、「野球ゲームを変えた一本」でしょうねえ。
好不調とか、エラーとかつけるたびにつまらなくなってしまったのも、
完成度が高かったことの証拠、かな。