第169夜 クソゲーは兄弟愛を超えて「バルトロン」
参考リンク:バルトロン(古ゲェレプュ〜)
あの、東映がゲームを作る!ということでみんなが期待していたというわけでもなかったのですが、なぜか弟が、この「バルトロン」を買ってきたのです。
まあ、当時はファミコンのゲームもそれほど潤沢にあった時代でもなく、新作ゲームだということで、市場調査もしないまま勢いで突撃してしまったみたいなのですが…
この「バルトロン」というゲーム、「超高速両方向スクロール」が売りだったのですが、確かに、Bボタンを押すといきなり自機が反転して逆方向にスクロールするというのは、それなりに新機軸だったような気がします。そして、このゲームのスクロールは、例えば、右側にスクロールしているときには、画面の右側に自機がいるほどスクロールが速くなっていくというような「スクロール速度可変制」だったのです。しかしながら、技術的には凄かったのかもしれませんが、実際に遊んでみると、例えば、画面の右端にいて、ゆっくり右方向にスクロールしている途中で反転すると、いきなり左向きの超高速スクロールになり、しかも敵がすぐ目の前!というような驚愕の事態が頻繁に現出されていくのです。そして、いくら当時の技術力とはいえ、「このグラフィックなら、そりゃあ高速でスクロールさせられるよな」という極限にしょぼいグラフィックと、小さくて同じようなデザインのやつしか出てこない敵キャラ。そして、何の意味があるのか全然わからないワープ(たぶん、ワープのグラフィックを見せたかっただけなのだと思う)。一種類しかいないボス敵と、そいつを倒すとほとんど内容が一緒の2週目が始まるというゲームシステム。そういえば、このゲームの単調なBGMだけは、なぜか印象に残ってはいるんですけどね。あまりに短い旋律が繰り返されるので、忘れられなくなってしまうだけなのかもしれませんが。
僕の中では、このゲームは、「エグゼドエグゼス」と並ぶクソゲーなのですが、「エグゼドエグゼス」が、「見た目をアーケード版に似せようとして失敗してしまったゲーム」であるにもかかわらず、この「バルトロン」は、なんだか作っているほうも投げ出しているというか、「とりあえず横スクロールシューティング作っとけばいいんだろはいはい」みたいなやっつけ感が激烈に伝わってくるゲームです。ちょうどファミコンブームの真っ只中だったとはいえ、これは本当に酷かった。おかげで、僕と弟は、「なんでこんなつまんないゲーム買ってきたんだよ!」ということで、しばらく冷戦状態になりました。
今となっては、「そういえば、『バルトロン』って(ネガティブな意味で)スゴかったよなあ…」なんて思い出話に花が咲いてしまったりもするわけですが。