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電車のゆっくり旅    筲箕湾(Shau Kei Wan)~上環(Sheung Wan)

 香港島を東西に走る路面電車。全線均一運賃だが、端から端まで乗る人はあまりいない。それは、時間がかかりすぎるのだ。電車は近距離を手軽に乗るものだろう。
 ある日、全区間通しで乗りたくなった。東の筲箕湾ターミナルに行ってケネディタウン行き尋ねると、冷酷にもそんな運転はないのだという。それではと、可能な一番遠くまで行く上環行きに乗ってみた。
 これは、2004年5月17日午後の記録である。



筲箕湾電車總站
Shau Kei Wan Terminus
今日はこの85号車で上環まで乗車
1.15:14

始発筲箕湾を出発
ゆっくりと輪になった線路を走り出す。向こうは元気な金華街。

 《筲箕湾 Shau Kei Wan》
2.15:15

柴湾道
Chai Wan Rd.
最初の停留所が見えてきた。左の坂道が柴湾道

 《筲箕湾 Shau Kei Wan》
3.15:17

新成街
Sun Shing St.
少し間があった3番目の停留所。この先の右(北)へのの道、愛秩序街には西湾河車庫へ入る線路がついている。
西湾河車庫はメンテナンスなどの機能はなく、夜間留置のためだけの車庫。

 《筲箕湾 Shau Kei Wan》
4.15:18

海富街
Hoi Foo St.
海晏街の交差点の手前に停留所。ここは西湾河の車庫からの出口線がある。

 《西湾河 Sai Wan Ho》
5.15:19

聖十字徑
Holy Cross Path
聖十字徑の手前。この道の英名はHoly Cross Path。西湾河の地下鉄駅はすぐ先。

 《西湾河 Sai Wan Ho》
6.15:20

太康街
Tai Hong St.
手前の交差する道は、右へ行くと太康街、左は太樂街。

 《西湾河 Sai Wan Ho》
7.15:22

太古城道
Tai Koo Shing Rd.
右下がりの高架道路はそのまま海沿いの高速道路、東區走廊に繋がる。
そこを潜ってから左に曲がり、モーター音をたてながらゆっくり坂を登ってゆく。

 《西湾河 Sai Wan Ho》
8.15:24

太古城
康山道
Kornhill Rd.
MTR太古站
太古城は道路両側にある巨大ショッピングセンター「Kornhill Plaza」を結ぶ大きな橋の下に停留所。ここでは、電車乗客の入れ替わりも多い。
電車通りはここから先しばらくの間、英皇道(King's Rd.)となる。
写真が傾いてごめんなさい!

 《太古城 Taikoo Shing》
9.15:26

船塢里
Shipyard Lane
正面の古いビルは海景樓。英皇道に沿って緩やかにカーブ。このビルは、電車背景に立つ屏風のように思えてしまう。

 《太古城 Taikoo Shing》
10.15:28

柏架山道
Mount Parker Rd.
この停留所は海景樓のすぐ前。あの歩道橋を過ぎるとしばらくの間、左側は崖で右だけ建物が並ぶ。この辺りの右側はかつて英系財閥スワイヤー(太古)の製糖工場があった場所で、現在はタイクープレイスという高層オフィスビル地区になっている。

 《太古城 Taikoo Shing》
11.15:30

芬尼街
Finnie St.
ここは地下鉄鰂魚涌(Quarry Bay)駅のすぐそば。

 《太古城 Taikoo Shing》
12.15:32

渣華道
Java Rd.
歩道橋の下が停留所。ここで左に曲がると北角エリアとなる。正面の水色の看板がある建物は、香港殯儀館(葬儀場)。よく花輪が飾ってある。

 《北角 North Poit》
13.15:33

健康東街
Healthy St. East
健康東街の英名は、ズバリHealthy Street East。
この後、健康中街、健康西街と続く。

 《北角 North Poit》
14.15:35

健康西街
Healthy St. West
左の上昇する高架道路は右へ進んで、海上いの高速道路、東區走廊の西行き線に繋がる。

 《北角 North Poit》
15.15:36

電照街
Tin Chiu St.
電車道の真中を自転車が向かってくる。香港市街地では自転車は完全に産業用車両だ。

 《北角 North Poit》
16.15:38

MTR北角站
書局街
Shu Kuk St.
北角停留所。ここは地下鉄北角駅の真上。右前方は新光戯院。映画以外に、粤劇(広東オペラ)の上演もあり華やかな看板が出ていることも多い。

 《北角 North Poit》
17.15:39

北角道
North Point Rd.
まもなく停留所。先に見える歩道橋のところで、右に入る道が北角道。北角道に沿って、正面の西の方から来た北角どまりの電車だけが通る、折り返し専用の線路が敷いてある。今の場所の右側に平行しているのが春秧街。路上市場に電車が突入する元気な街路。

 《北角 North Poit》
18.15:42

炮台山道
Fortress Hill Rd.
急に渋滞始まる。停留所はこの数十メートル先。地下鉄炮台山(Fortress Hil)駅はすぐ先。

 《北角 North Poit》
19.15:45

木星街
Jupiter St.
始発から30分経過

蜆殻街(Shell Street)を過ぎて停留所。左の道は上昇後、この道を跨いで右側に進み、この先のビクトリア公園の海側を抜けていくバイパス。

 《北角 North Poit》
20.15:46

瑠璃街
Lau Li St.
この辺りの左側は急な崖上の細い土地に建物が並ぶ。停留所先の瑠璃街を右に入ると、ビクトリア公園東側の建物密集地域。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
21.15:47

留仙街
Lau Sin St.
MTR天后站
地下鉄天后駅の真上。長い長い英皇道(King's Rd.)もそろそろおしまい。左側に迫っていた崖地もおとなしく後退りし、圧迫感がなくなってくる。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
22.15:49

維園正門
victoria Park Main Entrance
ビクトリア公園正面入口前。入口近くには、サッカー場が並ぶ。この停留所の道路を挟んで反対側には、大きな香港中央図書館がある。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
23.15:50

信徳街
shelter St.
ビクトリア公園南西端に位置する停留所。左側は信徳街。正面はリーガル香港ホテル。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
番外 15:51

銅鑼湾圏
Causeway Bay Terminus Loop
銅鑼湾の折り返し施設。西から来た銅鑼湾どまりの電車は、このループ状の線路でくるりと回転して西行きの始発電車となる。
このループ線のことを中文では「圏」というらしい。英語ではLoop。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
24.15:51

邊寧頓街
Pennington St.
銅鑼湾の目印、円形歩道橋の下にある停留所。手前側の2つポイントはループ線となる。右側ポイントで別れ、上の番外写真のループを廻り、左のポイントを通って西行き(この写真の向き)の本線に合流する。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
25.15:52

百徳新街
Paterson St.
圧倒的に賑やかで人と車が溢れる銅鑼湾の中心。百徳新街はここから右側に伸びる広い道だが、近年歩行者専用道になった。この少し先が地下鉄銅鑼湾駅。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
番外 15:54

波斯富街
Percival St.
線路を左へ入ると、波斯富街でハッピーバレーへの単線支線となる。写真の電車は、右側の線路をこちら側に進んで来て、ここで曲がって左に進むハッピーバレー行き。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
26.15:55

堅拿道西
Canal Rd. West
上空の高架道路は堅拿道(東西)。ほぼこの下に停留所がある。堅拿道は英語のCanal(水路、運河)の音訳。かつてこの道に沿って川が流れ、電車は橋で渡っていた。今では想像すらできない牧歌的な風景だった。

 《銅鑼湾 Causeway Bay》
番外 15:57

天樂里
Tin Lok Lane
左の道路、天樂里はハッピーバレーから来る線路が敷いてある。単線で来た線路はここで左右に分かれ、電車は東行きと西行きに振り分けられる。

 《湾仔 Wan Chai》
27.15:58

杜老誌道
Tonnochy Rd.
地域はそろそろ銅鑼湾から湾仔となる。この停留所を過ぎると、線路はヘネシー道を離れ左斜め前に進んで、ジョンストン道に入る。

 《湾仔 Wan Chai》
28.15:59

巴路士街
ジョンストン道(莊士敦道)に入って最初の停留所。もう周囲は中小の店がひしめき、商売の熱気渦巻く湾仔に突入。

 《湾仔 Wan Chai》
番外 16:00

湾仔道五叉路
120號電車登場。全部で163両ある電車で、ただ1両残る戦後型。1949年から走っている。木製ニス塗りの窓枠など、端々に手作り感が漂う電車。

 《湾仔 Wan Chai》
29.16:02

太和街
石水渠街出口のところで停車。右前方の建物の先が、湾仔のオアシス、修頓球場。

 《湾仔 Wan Chai》
30.16:04

汕頭街
Swatow St.
最新型の169号車北角行きとすれ違い。これはミレミアム型とも呼ばれる。前方の緑の電車のすぐ手前が汕頭街停留所。ここは、電車に乗るための「ホーム」も屋根もなく、ただ車道に「電車站 TRAM STOP」と書いてあるだけ。つまり、お客は車道から直接電車に乗るのだ。

 《湾仔 Wan Chai》
番外 16:05

大王西街
電車線路工事中。路面電車だから、保線工事は車道を剥がして行う。

 《湾仔 Wan Chai》
31.16:06

機利臣街
Gresson St.
写真は停留所停車中。このレンガ色のビルはメソジスト教会。現在では20階ほどのビルだが、改築時に元々の教会の雰囲気を残して、上にビルを載せたデザインとなった。西から来たときの湾仔の入口といった感じ。

 《湾仔 Wan Chai》
32.16:06

蘭杜街
Landale St.
メソジスト教会の反対側、莊士敦道の南側車窓。ここを過ぎると、ヘネシー道に入り、南側車窓はちょっとガランとしてしまう。

 《湾仔 Wan Chai》
33.16:07

軍器廠街
Arsenal St.
湾仔地区の莊士敦道を抜け、ヘネシー道に戻ってきた。軍器廠街という名も物々しいが、右側には警察関係の建物が集まっている。

 《湾仔 Wan Chai》
34.16:08

MTR金鐘站
金鐘の中心に停車。この空調完備の歩道橋の左側は、パシフィック・プレイス。2つのデパート、3つのホテル、ショッピングセンター、シネマコンプレックス。右側は高層オフィスビル群と、地下鉄金鐘駅。

 《金鐘 Admiralty》
35.16:10

紅棉道
Cotton Tree Drive
線路南側のこの緑地は香港公園の北西端。このすぐ上の丘に「茶具文物館」がある。かつてのイギリス軍司令官事務所だった建物で、白くてこじんまりとしている。都会の喧騒を離れてゆっくりできる。
ここを過ぎると中環(Central)になる。

 《金鐘 Admiralty》
36.16:12

銀行街
Bank St.
銀行街などというより、香港上海匯豊銀行(HSBC)前といった方がピタリとくる場所。スターフェリーのりばからまっすぐ歩いてここに着くので、旅行者御用達の停留所でもある。
日曜日はこの皇后像広場が休日を楽しむフィリピン人メイド達で一杯となる。

 《中環 Central》
37.16:13

畢打街
Pedder St.
始発から1時間経過

ペダー街手前。左はランドマーク、右はチャーターハウスとアレキサンダーハウス。高級店と高層オフィスが密集する中環の中心。停留所の屋根は最近開発された、内照式の広告付き。

 《中環 Central》
38.16:15

[石本]典乍街
Pottinger St.
前を走る緑の電車が停まっているのが停留所。その右は、永安ビル。正面の白い歩道橋は恒生銀行と中環街市(市場)を結び、ミッドレベルへのエスカレーターにも連なる空中歩廊の一部でもある。
 Pottingerは初代香港総督ヘンリー・ポッティンジャーの名。1843~1844年まで総督。道の途中から急坂となり、路面に石を敷きつめてあるので、「石板街」という通称がある。

 《中環 Central》
39.16:19

機利文街
Gilman St.
中環では電車道は徳輔道中(Des Voeux Rd. Central)を通る。デボーは第10代香港総督で1887~1891年の在任。それにしても植民地時代の色彩が濃い地名がまだまだ香港にはたくさんある。
 この辺りは道の両側に隙間無く高層ビルが連なり、見上げると空は細長い帯のようだ。

 《中環 Central》
40.16:20

文華里
Man Wa Lane
そろそろ上環に入ってきた。ここで左に線路が曲がり、文華里の停留所となる。停留所のすぐ先の道が文華里で、左側に入るとその路上には小さな屋台式のハンコ屋さんが並んでいる。手彫りのハンコをオーダーできるし、店によって得意な技が異なる。

 《上環 Sheung Wan》
41.16:23

上環街市總站
Western Market Terminus
始発から1時間9分

やっと終点到着。ここでは、上環折り返しの電車と、更に西へ堅尼地城方面へ行く電車との線路が二手に分かれる。
 徳輔道中は一旦ここで途切れ、電車は右側を並行していた干諾道へ移る。

 《上環 Sheung Wan》
最後までお付き合いいただきありがとうございました。お疲れ様でした。
 でも、これ、写真を撮りながら記録をして電車に乗るのはとっても疲れます。電車の停留所が短い間隔で次々来るのが実感としてよくわかりました!
 なお、東端のさう箕湾始発電車で最遠区間はこの上環行きではなく、本数は少ないのですが屈地街車廠行きがあります。



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