香港巴士鐵路旅遊協會 HONG KONG PUBLIC TRANSPORT TOURISM ASSOCIATION
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会員Myページ [001]                               [001]小柳淳のプロフィール
 【Myページは、香港巴士鐵路旅遊協會の会員が自分の趣味で作るページです。】           [001]小柳淳のサイト 森羅香港

  香港読書案内                 Amazon.co.jpアソシエイト
香港街歩きの前にも後にも、香港をもっと知っていると街を見る目が豊になります。香港の歴史、地理、電影(映画)、文化、民俗、政治、交通など、私が気に入った本や資料を掲載します。

-> [001]小柳淳のページは香港関係の書評ページです。
  ひたすら私の個人的趣味で書きますので、その本の主題などに関わらず、私の感じたことにスポットを当てています。

-> それから、日本語、中国語、英語の区別なく並べますし、現在絶版のものもあるかもしれません。
  価格などのデータは購入時のものですので、変動があるかもしれません。消費税は込・別両方あります。
  また、香港では本の価格も店により違う場合がありますが、なるべく本体に印刷された値段を書きます。

-> 2016.8.19現在117冊掲載です。

-> 掲載冊数が増えたので、リストを作りました。新しい本を追加する場合は必ずしも一番上や一番下とは限りませんので、ご注意ください。
社会・経済・紀行 映画・芸能・文学・言語・食・ガイド 観光・交通・情報 歴史・返還・政治・他
The Trams 電車(日)
マカオ ノスタルジック紀行(日)
オン・ザ・ボーダー
人民元・ドル・円
三和銀行香港支店(日)
中国の神様(日)
中国の実験(日)
市影匠心 香港傳統行業及工藝
台湾 韓国 香港 逍遥游記(日)
如果香港是個100人村落
私の香港歩き(日)
香港のりもの紀行(日)
香港の都市再開発と保全(日)
香港風格
香港世界(日)
香港読本(日)
香港華資財團
香港英資財團
香港路面電車〈トラム〉の走る街(日
香港路面電車の旅(日)
香港路線バスの旅(日)
香港ストリート物語(日)
香港人否極泰來
香港身份證透視
香港社会の人類学(日)
香港旅の雑学ノート(日)
香港 移りゆく都市国家(日)
香港 世界の都市の物語16(日)
深夜特急(日)
無處不在紅白藍
新香港1000事典(日)
現代の香港を知るKEYWORD888(日)
圖片香港貨幣
愛香港的101個理由
點滴話當年 香港供水一百五十年

樓上風光-香港天台窩
OLD HONG KONG(E)
アラン・チャン(日)
タビトモ香港(日)
ララチッタ香港(日)
上海回味
火柴人日記
日本人のための広東語Ⅰ(日)
日本人のための広東語Ⅱ(日)
広東語辞典(日)
広東語研究(日)
広東語会話Ⅰ(日)
広東語会話Ⅱ(日)
米芝蓮指南 香港/澳門 2009
阿片戦争(日)
拉埋天窗
香港映画の街角(日)
香港・濁水渓
香港・濁水渓(日)
香港トラムでぶらり女子旅(日)
香港の水(日)
香港無印美食(日)
香港路地的裏グルメ(日)
香港無問題(日)
香港翻譯用語匯編

Kai Tak(E)
MOOK自遊自在 香港
OVER HONG KONG
SKYLINES HONG KONG(E)
Star Ferry The Story of a Hong Kong Icon(E)
THE逼CITY
TRAMS(E)
二十世紀九龍區巴士路線發展史
九巴版圖2003
九龍街道百年
九龍街道命名考源
大都会のアルプス
  香港バトル100kmハイキング(日)
民航通鑑①航空交通管制篇
百載流芳 情繋香江 the KCRC Story
再見藍戰士
星迷 Star Struck
香港高清大地圖
香港電車
香港のおさんぽ(日)
香港頭上観察(日)
香港地名探索
香港雀仔街(日)
香港街2011街道與地名録
香港街道百年
香港街道地方指南
香港街道命名考源
香港街道駕駛指南
香港巴士香港-都市のビジョン(日)
從啓徳出發
通用乘車地圖
黄頁消費通
啓徳最後的光景
   Kai Tak-the Final Days
啓徳懐想(日)
道路使用者守則
新界街道百年
彌敦道 Nathan Road
East And West(E)
中国との格闘(日)
中国返還後の香港(日)
中英街與沙頭角禁區
東と西(日)
香港
香港の声(日)
香港を離れて(日)
香港的地名與地方歴史(上)港島與九龍
香港的地名與地方歴史(下)新界
香港物語(日)
香港回収工作(日)
香港回帰(日)
香港日佔時期
香港全紀録 巻1,2
香港基本法の研究(日)
香港歴史漫郵記(日)
香港飛龍 曽蔭權傳
香港特別行政區施政架構
香港戰地指南
海の帝国(日)
基本法知多少
■表中の(日)は日本語の本、(E)は英語、無印は中国語の本を示します。

-> 書名(下線) の本は、書名をクリックするとAmazonの通販のページにリンクします。

表紙 書名/著者/出版社/価格/版型  書評、感想、内容
香港路面電車<トラム>の走る街

永田幸子 小柳淳
春陽堂書店
2015年6月初版
¥2,500
B5
    詳細ページへ
2014年に開通110周年を迎えた香港電車電車がつなぐ多彩で魅惑的な街の写真集。永田幸子のカメラアイとその隣で呟くような小柳淳の文で表現する、魅惑の香港電車沿線の街。後段には香港電車の濃厚な解説「電車総覧」と沿線ガイドを掲載。
香港ストリート物語 香港ストリート物語

小柳淳
TOKIMEKIパブリッシング
2012年4月下旬出版予定
¥1,600
A5
香港中を縦横に走る道。その数は約4,500本。香港の通りを歩いてゆくと、この爆発的に面白い都市の、短くも濃密な歴史や次々登場してきたプレイヤーの痕跡、そして今日なお発展し変化し続ける香港のパワーと性質が見えてきます。bすからおりて、通りを歩く、さらに街にクローズアップしてゆく視線を楽しんでください。
中英街與沙頭角禁區 中英街與沙頭角禁區

香港地方志辦公室
深圳市史志辦公室 編纂
和平圖書有限公司
2011.8初版
HK$108
1949年の中国革命によって数奇な運命を生きることになった、沙頭角。
香港でもあり、中国でもある。集落の中にある一本の道が境界線となったのだ。歩けば反対側に行けるわずか数メートルの道。その両側が資本主義植民地香港と、共産主義中国が向き合うことになった。そして、香港側が「禁區」として一般人出入りを禁じている間に、向かい側は社会主義市場経済中国という超資本主義になった。
その歴史を綴る貴重な写真集である。
香港トラムでぶらり女子旅 香港トラムでぶらり女子旅  

池上千恵 永田幸子 小野寺光子
ダイヤモンド・ビッグ社
2013.12初版
小野寺光子のイラスト、永田幸子の写真でページを眺めるだけでウキウキしてくる香港ガイド。香港島北岸をゆったり走る路面電車の沿線に沿って、街ガイドがすすむ。もちろん香港の食を愛する池上千恵の文が織りなす、香港路地裏。
ところで、女子旅は、好い旅でもあるそうな。
香港路線バスの旅 香港路線バスの旅

小柳淳
TOKIMEKIパブリッシング
2009年初版
¥1,600
A5
 ⇒詳しくは
 路線バスを使って自由自在に香港を楽しむ本。
市街地から海山そして工業地帯などの30路線を紹介しながら、香港路線バスの楽しさを伝える。
 バス停案内板の情報を読み取ることから、ミニバス利用法や、ビクトリアハーバーの越え方、空港バスもカバー。
『香港街道地方指南』の利用方法にも触れる。
香港街道地方指南2016 香港街道地方指南

通用圖書有限公司
HK$66(2016年版)
19.2h×11.7w
 毎年改訂される香港地図帳の決定版。中国語英語の2語表記。実に良くできていて、香港歩きには必携の1冊。地図に加え、バス路線情報、鉄道、フェリーなどの交通情報が充実している。さらに、巻末の索引が素晴らしく、街路名、建物、公共施設、地域名などが中英2語で引ける。半分近くが索引なのだ。
2015年版から地図ページに小さなQRコードが掲載され、当該ページの施設などの情報がスマホや携帯で読み取れるようになった。
空港売店をはじめ、路上の新聞スタンド、書店など手に入りやすい。⇒もっと詳しく
通用乘車地圖第5版 通用乘車地圖

通用圖書有限公司
HK$55(2010-11年版)
19.2h×11.7w
 香港でもっとも便利な地図帳「香港街道地方指南」から派生して出版された地図帳。2001-11年版の第6版は第5版からHK$5値上がりしてHK$55。
 陸上の乗り物を網羅していて、バス停とそこに停まる路線をキチンと記載している。便利なのだが、バス停への記載が充実している分だけ地図の情報が隠れてしまう難点がある。やはり香港街道地方指南で旅するのが好い気がする。
 ページの半分以上をバス路線や停留所の検索に充てている。
※写真は第5版です。
香港の都市再開発と保全 香港の都市再開発と保全

福島綾子
九州大学出版会
¥1,000
新書
 研究報告としてまとめられた論文の新書版。九大アジア叢書の12となっている。都市再開発、そしていわゆるまちづくりが香港でどう変化してきたかを研究対象としている。植民地時代からの官による一方的な決定と実施から、現代香港社会での受容や反発と官の変化などを辿る。そういえば、中環スターフェリー埠頭移転のときに現われた反対運動に驚いたものだが、そういった社会的背景を知るにも好い。
 湾仔の印刷街やブルーハウス、民間生活館なども取り上げていて、興味深い。
中国返還後の香港 中国返還後の香港
「小さな冷戦」と一国二制度の展開

倉田徹
名古屋大学出版会
2009年初版
A5
 1997年のいわゆる中国返還から10年間の特別行政区香港を社会政治面からまとめた書。返還前に喧伝された香港が中国になって衰退するなどの悲観論の消え去ったが、この10年間の変化ををきちんと実証する。当初北京が香港の自治(≒二制度)に配慮したこと、2003年を第二の返還とするその節目から香港、中国双方からの「干渉」の増加など、明晰で実証的な著述は快い。前半に論旨の価値を損ねぬ程度だが論理の飛躍があるのが少し惜しい。
 21世紀の香港、そして「50年不変」の最初の10年を知るには絶好の書。
星迷 Star Struck 星迷 Star Struck

戴偉思
香港海事博物館有限公司
2009年頃出版
HK$50
24h×17w
 ス」ターフェリーの本。どこか安直なデザインの表紙に反して、内容はきちんとしたデータを参照しながらのスターフェリーの歴史と現在の本。オールカラーで19、20世紀の天星小輪を説明する。それもそのはず、発行は香港海事博物館だった。
 とはいえ、全68ページはスターフェリーを語るにはやや薄目。そこは我慢してもお釣りの来る本である。
ララチッタ香港タビトモ香港 ララチッタ香港
2012.1初版
¥1,000

タビトモ香港
2009.10初版
¥1,000

ともにJTBパブリッシング
ハンディな香港ガイドブック。
このwebマスター小柳淳がそれぞれ寄稿してます。
ララチッタでは巻頭特集の「Keyword」と「Happy Advice」。
タビトモでは香港トラム120%活用術。
使いやすいガイドブックです。
A Century of Commitment - the KCRC Story A Century of Commitment
the KCRC Story
百載流芳 情繋香江

九広鉄路公司
2007年(推定)
HK$188
A4横
 2007年12月に地鐵公司と合併してなくなった九広鉄路公司の記念本。20世紀初頭の開通から、蒸気機関車、ディーゼル機関車を経て電化へ至る歴史を軸に鉄道の歴史を英中両語で綴る。古い写真や資料も充実しているが、巻末の合併年の秋時点の職員一覧が圧巻である。
香港路地的裏グルメ 香港路地的裏グルメ

池上千恵 著
小野寺光子 イラスト
世界文化社
2011.9 初版
¥1,200
香港在住を経て香港の「裏グルメ」~B級グルメとでも言うのでしょうか~を紹介する快作! 取材前にすでに何回も何回も訪れた店を厳選。池上さんの香港の食に対する愛が溢れている。爽やかな小野寺光子さんのイラストも素敵です。
何十回と香港を歩いた私も、珍しく「役に立つ」本に出会えました。
香港無問題

池上千恵 著

JTBパブリッシング
2013.1 初版
¥1,500
裏グルメの池上千恵さんの香港案内の本。香港のあちこちで目にした愛すべきホンコンのコトやモノが詰まっています。もちろん池上さんのことだからB級グルメ情報には事欠きません。あまり難しく考えずにリラックスして読み進めるのがお勧め。
彌敦道 彌敦道 Nathan Road

盧沛雄
簡亦樂出版
2007.6
HK$150
17h×25w×53折
 九龍を南北に貫く大通り、彌敦道を端から端まで撮った写真集。本文はジャバラ折で、25cmの53倍の長さ、つまり13.25mの長さの本である。この長い本文の表裏にそれぞれ彌敦道左右の風景が連続している。写真のつなぎはお世辞にも上手とはいえないが、これは実際の道路で撮るという条件化ではまあまあというところか。ちなみに私は2004年夏に湾仔の莊士敦道を端から端まで撮ったのでその大変さはよく解る。-->莊士敦道 
ミシュランガイド香港マカオ2009 Michelin Hong Kong Macau 2009
米芝蓮指南 香港/澳門 2009

MICHELIN
2008年初版
HK$168
19h×11.3w
 あまりに有名なミシュランガイドの香港版。2009が発売になったのは2008年の冬だった。ところが三星が香港にひとつ、マカオにもひとつだったので、委託香港は気分を損ねたようだ。
 まあ、それはおいて香港のレストランガイドとして楽しく使えばいいのかも知れない。幸い、英中対照版なので読みやすい。おもしろいことに、奥付には「Made in Japan」と記載されている。これはどういう意味なのだろうか。
樓上風光-香港天台窩 樓上風光-香港天台窩
Portraits from above-Hong Kong's informal rooftop communities

鄔南薫 斯特凡・坎漢
MCCM Creations
2009年
HK$235
24.8h×22.6w
 香港のビルには屋上、壁面に当初設計には無かった部屋がたくさん貼りついていた。本書は屋上(天台)に次々と作られた違法建築群のケーススタディである。深水埗、大角咀、觀塘のいくつかの古いビルを対象に、室内外そしてその住人を調査した研究の成果でもある。
 屋上、壁面を問わずこの手の違法建築はどんどん撤去されているので、近い将来は香港からその姿を消し、このような本からしか見ることができなくなるのであろう。貧しかった香港の形跡はどんどん消えてゆく。
THE逼CITY THE逼CITY

陳翠兒他
香港政府民政事務局
2006.11初版
HK$46
21h×21h
 超高密度な香港の街を、主に住宅建築と都市計画の面から説き起した本。植民地時代から始まる密集や公衆衛生面からの建築規制など、歴史的な視点を加味しながら現代の香港の街の特色を浮きかがらせている。政府発行にしては堅さがなくて実に楽しく読める。
現代の香港を知るKEYWORD888 現代の香港を知るKEYWORD888

小柳淳/田村早苗編著
三修社
2007.6初版
¥2,800
A5
 返還10周年にあわせて出版。現代香港の多様な事象を集めた888個の項目で香港を語る本。個々の項目は簡潔な文章。日本語見出しに中国語(広東語)、広東語発音、英語を付す。
 香港の衣・食・住・交通から始まり、芸能、生活・文化、経済やビジネスそして歴史と将来まで、幅広く香港をカバーする。

★このサイト運営者が編著者です。
香港基本法の研究 香港基本法の研究

廣江倫子
成文堂
2005年初版
¥6,000
A5
 中国の特別行政区である香港のミニ憲法とでも言うべき基本法は、社会主義体制にある中国法とイギリスコモンロー体系を継承(これ自体は英中双方で合意)する香港法という異なる法体系・法意識の中で運用されている。1997年から中国特別行政区となった本でこの特徴ある法制度の実際の運用を判例を中心に追っていゆく。有名な香港居住権問題、富豪ばかりを誘拐していた“大富豪”の刑事裁判権などを題材に香港基本法を巡る論点を考察。
 とかく政治論的な視点に走りがちなテーマだが、ここでは法律理論からきちんと整理されている。著者の博士論文を基にした出版でもあり、骨太な法学書として読み応えがある。返還後に立て続けに起こった事件の法的側面を理解する上でも好適。
啓徳懐想 啓徳懐想

関根寛
TOKIMEKI PUBLISHING
2008.9初版
¥1,785
 香港到着の最終降下地点での右45度カーブ。いわゆる香港カーブで乗客をドキドキワクワクさせた、香港啓徳機場。閉港から10年目、日本でもこの空港を偲ぶ出版が実現した。著者はHKPTA会員でもある関根寛。貴重な写真とともに、啓徳機場の歴史、進入ルート、ターミナルビル、目の前の九龍城の街など内容も豊富。
啓徳最後的光景 Kai Tak - the Final Days 啓徳最後的光景
 Kai Tak - the Final Days

共和媒體有限公司
2008年8月初版
HK$138
B5版
 かの市街地空港香港啓徳機場の閉港10周年の夏、香港で出版された。
 見開きの大判により、かつての降下機の迫力を伝える。簡潔な啓徳機場の歴史、香港に乗り入れていた航空会社の機種写真、通天巴士こと空港バス、そして1998年7月5~6日の空港引越しなど興味あるページが続く。
從啓徳出發 從啓徳出發

呉詹仕
經濟日報出版社
2007
HK$78
17.5h×18.5w
1998年夏に幕を閉じたかの啓徳空港の本。開港前の土地造成の経緯や命名から始まり、空港の発展やこの空港に降り立った人たちなど通した香港の想い出をまとめる。驚異の市街地空港についても触れるがむしろ淡々としたものである。
香港路面電車の旅 香港路面電車の旅

永田幸子 小柳淳
春陽堂書店
2004年7月初版
¥2,310
A4変形
    詳細⇒クリック
 2004年7月に迎えた香港路面電車100周年記念写真集。
 路面電車沿線に連なる新旧の香港の街を活き活きと表現。東から西へ朝から夕へ変化する香港の表情を記録。筲箕湾から北角、銅鑼湾、中環、西營盤など沿線に連なる12の地区と戦後型原型を今にとどめる120号車、そして石塘咀のトラム車庫をも収録。ページを進すめながら、香港にいる気がしてくる。
 巻末に沿線が街歩きガイドを付す。
香港雀仔街 香港雀仔街

永田幸子/富永直美
新風舎
2007.6初版
¥3,000
A4横
 かつて九龍旺角にあった小さな通り、康樂街。旺角の彌敦道西側がどこもそうであるように、モノトーンに近い埃っぽいゴチャゴチャした通りだった。この道は両側が小鳥屋で満ち溢れ、小鳥の鳴き声、工芸品のような竹の鳥籠が並び、商売に忙しいはずの香港人がこんな趣味嗜好に何故かゆったりと時間を遣っていた。21世紀を待たずこの通りは再開発のため暮らしの香りごと削りとられて更地となり、今はランガムプレイスという名で呼ばれる場所の一部となっている。
 本書のページを捲っていくと、香港がひたすら前進あるのみという感じで騒然としていた20世紀後半の光景が浮かんでくる。何回見ても溜息が出てしまう。
香港歴史漫郵記 香港歴史漫郵記

内藤陽介
大修館
2007.6初版
¥2,400
A5
 香港の郵便制度や切手デザインの変遷を香港そのもの歴史と共に19世紀から現在までを語る本。切手趣味を大きく踏み越えた、十分に読み応えのある内容だ。郵便学者である著者のるうびんと香港に対する愛がひしひしと伝わってくる。ひとつのことを突き詰めると、そこから広い視野が生まれてくるということを実感させてくれる。
香港風格 香港風格 Hong Kong Style

胡恩威
TOM Publishing
2005.4初版
HK$55
21h×20w
 建築を中心に看板やサイン、デザインなどの視点から現在の香港の街を記述した本。白黒写真をふんだんに使い、香港に住んでいては気付かぬような(!?)新鮮な視点で街の表情を切り取っている。文章はもちろん中文だが、多少の知識さえあれば内容の面白さにグイグイ引きずり込まれる。
無處不在紅白藍 無處不在紅白藍

又一山人
簡亦樂出版
2005
HK$350
約18h×28w
 香港空港の書店で「うゎっ」と思わず声を出しそうになって手に取った本。回郷袋(里帰りバッグ)とか走私袋(密輸バッグ)などとも呼ばれる赤白青を基本色とする、丈夫で安くて安直なビニール繊維の袋やシートを香港や中国ではよく目にする。あのビニールの数々の使用例や風景の写真集だ。しかも「表紙」は袋。中に2分冊になって「本」が入っているがその表紙も本物の紅白藍のシート製。そのため綴じは和綴じ(中国綴じ?)。香港が好きで何度も旅をしていると、網膜のあちこちに特段の主張もせずに焼き付いているあのビニールシートが本になってしまったということだ。
火柴人日記 火柴人日記

黄毅之
突破出版社
2003年7月初版
HK$68
20h×18w
 中学5年(日本の高校生に相当)のマッチ君。成績も運動もかなりイマイチ。マッチだから火にも水にも弱いくせに、将来の夢は消防士。運動会や試験や恋(失恋も!)にぶつかりながらも、友人たちに助けられて少しずつ成長してゆく。SARS後の香港での出版ということもあり公共心が意識されているが、あくまでもデキナイ子が健気に暮らしていくお話し。小さなぬいぐるみを使っての実景撮影絵本は実に可愛らしい。
香港世界 香港世界

山口文憲
筑摩書房
¥544(文庫版)
文庫版
 「香港旅の雑学ノート」と並ぶ山口文憲の香港著作。どちらも香港をこれでもかと掘り下げているが、この「香港世界」はどちらかというとウエット。ゆっくり香港の街路を歩っているような気がしてくる。
 いつでも手の届くところに置いておいて、気が向いたときに何回でも読んでいたい本。
香港街道百年の3冊 香港街道百年
九龍街道百年
新界街道百年

鄭寶鴻、イ冬寶銘(九龍のみ)
三聯書店
各HK$98
25.5h×21w
 2000年に香港と九龍、遅れて2002年に新界が発行された香港の歴史写真集。書名は百年とあるが、百年以上の植民地初期から20世紀までの香港の写真を収録している。地区別の編集がなされているので、開発された順序や様子がわかりやすい。また、巻末の資料も充実していて、見ているだけで香港気分になれる。
OLD HONG KONg OLD HOONG KONG
 In Three Volumes

Trea Wiltshire
From Asia
HK$620(ミニ版)
17h×21w
※大判もあり
 1860年から1997年6月30日までの香港の白黒写真集。全編英語で3分冊になっている。良質な写真集を出版しているFrom Asiaのもの。初版は1987年だが、私が2003年に買った第4版は香港返還の日までが収録されている。
 残念ながら植民地香港の始まり1841年からの写真は収録されていないが、九龍割譲の年から始まる写真は嫌でも植民地というもののニオイを感じさせる。それは、添えられた文が英語であるからだけではない気がする。だkらか、香港が「返還」されるまでというのが相応しいのかもしれない。時間のあるときにゆっくり香港の過去を眺めるのにいい。
マカオ  ノスタルジック紀行 マカオ ノスタルジック紀行

文 芹澤和美
写真 安藤“アン”誠起
双葉社
2007年初版
¥1,600
A5
 中国特別行政区になって以降、それまで眠っていたようなマカオが突如元気に変化し始めた。空港はできるは埋立地が拡大するはで数百年眠り続けた分を取り戻そうとするかのようである。
 そのような脚光を浴びるマカオもいいけれど、あの静かなマカオもいいなぁと思わせてくれる紀行だ。街角の小路やコロアン島のカフェなどへの、優しいまなざしが素敵な本。
香港のおさんぽ 香港のおさんぽ 

市ケ谷ハジメ、青木加代子
竹書房
¥1,800
A5横
 久方ぶりに出た香港路上観察系。香港の街中からどうしてこうもドウエデモイイ事ばかり集めてきたの!と褒めたくなるような快作。
 特に横方向連続写真で街路ごと見せてくれるのは楽しい。写真の繋ぎに多少無理があろうと、この際見られればヨイ、そんな感じでどんどん飛ばしてゆく。惜しむらくは全体を通した文章の無いこと。企画でグイグイ押してゆく環で、読む本と言うより眺める本。
香港映画の街角 香港映画の街角

野崎歓
青土社
¥2,600
19.5h×14w
 これは香港映画の本を超え、香港そのものを語る本だ。次々と繰り出される映画名、俳優、監督、脚本家、カメラマン。ハイテンポで進む文章、テーマに織り込まれる香港の現在と歴史。僅か数行のうちにこれほど濃密な内容を詰め込んでいる本に出会ったことがあったろうか?
 注で出典が明示されていたり、作品名や人名(俳優など)の索引が付いていたりで、良心的なつくり。それに、映画好きには便利この上ないものです。2004年の「2046」までカバーする新しさに1990年代の作品も入って、香港映画をじっくりと楽しめそうです。それにしても野崎さんはフランス文学の先生なのに、何故か香港と香港映画がお好きです。
香港読本 香港読本

日本ペンクラブ編 山口文憲選
福武文庫
¥490
 19世紀から20世紀後半の間に日本人が香港について書いたものの選集。さすが山口文憲だけあって、目配せのいい選択になっている。一番古いのは明治の中ごろに香港にいた女衒村岡の筆だし、1941年の香港攻略戦従軍記事があるかと思えば、アグネスや邱永漢や沢木耕太郎も網羅している。香港好きの人に是非。
香港・濁水渓香港 香港・濁水渓/香港

邱永漢
実業之日本社/博益出版
¥1,200/HK$55

(文庫版:香港・濁水渓
 1955年の第34回直木賞受賞の「香港」。戦後ドサクサの香港を舞台にした台湾人頼春木が、香港に流れ着き必死で生きていく中で従来の価値観を見直していく香港体験。程度の大小はあれ、香港と出会ったひとが経験する衝撃だ。
 中文版は私が勝手に想像するのであるが、日本語原文からの翻訳だと思うが香港の地名など微妙に日本語版より詳しい。中文を勉強するにも良い。
 濁水渓は日本が第二次世界大戦敗北後台湾を襲った混乱、大陸からの国民党残党の流入と台湾人の衝突、を日本占領の歴史を下敷きにした小説。
深夜特急 深夜特急1 香港・マカオ

沢木耕太郎
新潮文庫
¥420
 インドのデリーからロンドンまで路線バスで行くはずだった旅が、たまたま降り立った香港に魅了されてはじめから予定が狂った。著者が香港の街角でわくわくしているのが活き活きと伝わってくる。1970年代の香港は景色としては既に大分変わっているが、街は相変わらずパワー溢れている。
 この第一巻を読んだらそのまま著者とロンドンまで文庫6冊を一気に読めてしまうことだろう。
オン・ザ・ボーダー オン・ザ・ボーダー

沢木耕太郎
文藝春秋
\1,905
19.5h×13w
 沢木耕太郎のノンフィクション作品集全9巻の第Ⅳ。紀行の短編集で、ここに「六十セントの豪華な航海」が収録されている。不朽の名作「深夜特急」に先立って公表された香港スターフェリーの魅力である。このシリーズⅧ巻は「深夜特急」である。
香港頭上観察

赤瀬川原平
小学館
\2,625
20.5h×21w
 いいなあ、このタイトル。そして、帯にある「あー、この街は首が疲れる」。もうそれだけで買ってしまった写真集。観光名所(そんなのどれだけ香港にあるンだっ)でなく、普通の香港の街をキョロキョロして目にしたものを切り取ってきました、といった漢字でページは進む。ただし、つまづかないようにちゃんと足元も撮ってある。
香港民航通鑑(1)航空交通管制篇 香港民航通鑑(1)
  航空交通管制篇

伍永[木梁]、謝至愷編著
共和媒體
HK$108
 香港の民間航空管制の本。現チェクラプコク空港を例に、航空管制を着陸誘導、出発、レーダーなどを説明。管制官へのインタビューや広州白雲新空港訪問などに加え、懐かしい啓徳空港の記録も掲載。
 写真や図を多用した見やすい構成。
Kai Tak The Final Decade Kai Tak  The Final Decade

Robbie Show
Airlife Publishing
HK$194
20.5h×21.5w
 香港啓徳空港写真集。
 ああ、啓徳空港廃港まえにもっともっと見ておけば良かったのに、と思うのは私だけではないだろう。西からのアプローチでは獅子山前での右への香港カーブ。金属音を撒き散らす九龍城への降下。狭い駐機場。もう見られないのだから、こうやって写真集で眺めるしかない。
Star Ferry Star Ferry
The Story of a Hong Kong Icon

David Johnson
Star Ferry
価格は忘れてしまいました(HK$250との説あり)
29h×21.5w
 スターフェリー100周年紀念出版。スターフェリーの歴史や船体などを多数の写真とともに叙述。全文英語なのがちょっと惜しいが、資料としてはとても便利。
市影匠心 香港傳統行業及工藝 市影匠心 香港傳統行業及工藝

香港博物館編成
香港市政局
HK$130
1996年初版
28h×21w
 1995年に開催された同名の展覧会目録。ということを知らず書店で手にし買った。
 香港各地で行われている伝統的な手工業のみならず、風俗習慣、商業、宗教行事、化粧や服装など広範囲な香港民俗の記録といえる。図版が多用され、中英2語表記。パラパラと眺めているだけでも楽しい。今思うと、この展覧会も見てみたかった。
イエローページ 黄頁消費通
Yellow Page for Consumers

Hongkong Telecom
無料
24.5h×19.5w
 今は無き香港テレコムの電話帳。名の通り黄色表紙の消費者向けが3分冊、青表紙の商業版という企業電話帳が1冊あった。どれも、中英2語で構成されていてた。もちろん、現在はPCCWが発行しているはず。用が無くともパラパラ眺めているだけで面白い。
香港回帰 香港回帰
  ジャーナリストが見た'97.7.1


ユエン・チャン、盧敬華
日野みどり訳
凱風社
¥1,400
19h×15w
 1997年7月のいわゆる香港返還、これを中国語では香港回帰と書く。香港のジャーナリストたちの目から見た、香港回帰の記録。ただし、香港内外のメディアに掲載・放送したものではなく、彼ら彼女らの目撃記録や感想などをまとめたものである。
 非常にライブ感がある。
East and West東と西 East And West東と西

Chris PATTEN
Macmillan/共同通信社
HK$195/¥2,300
23.5h×16w/19.5h×14w
 英国植民地香港最後の総督パッテンの回顧録。この「英国植民地総督」ということを忘れているかのようなパッテンの「民主化」攻勢と中国当局への不信感。北京シンパでなくとも辟易する独善はどこにその源があるのだろうか? だって、どんなに彼が信じる理想論を振り回そうとも、1997.7.1以降は責任もとれないのだ。この点からは、意見や立場の相違はなんでアレ、下記の「中国との格闘」クラドック氏もあわせ読むべきである。
 結局大向こうのウケはともかく、香港人を差し置いてロンドンと北京の論理で動いた返還騒動のひとつ。
中国との格闘 中国との格闘
 あるイギリス外交官の回想


パーシー・クラドック
筑摩書房
¥2,900
19.5h×14w
 英国外交官、パーシー・クラドックの手記。香港総督ではないが、1960年代から断続的に北京駐在外交官と英国首相外務省外交政策顧問を勤めた氏の中国に対する姿勢は返還が済んだ今でも一読の価値あり。
 官僚の保守性とは別次元で、香港に対する英国の持ち札の無い中で何ができるかを真摯に求めた姿勢はすごい。
香港回収工作 上香港回収工作 下 香港回収工作
         
許家屯
筑摩書房
¥2,300(上)、¥2,200(下)
19.5h×14w
 1983~1990年に新華社香港支社長だった許家屯の回顧録。中英共同声明の直前に赴任し、天安門事件後事実上の亡命でアメリカに出国する許家屯の生々しい経験。
 大物として香港入りした許家屯の行動を読んでいると、中華人民共和国という国がどういった仕組みで意思決定をしていくか垣間見られる。香港回帰前は通信社である新華社が香港における中国大使館(香港は本来中国のもの、という建前からは外国に置く「大使館」を設置するわけにはいかなかったのだろう)の位置を占めていたため、その支社長は大使なのだった。ハッピーバレー競馬場の北西にあった新華社には中国への抗議デモが詰めかけけたりもしたが、今ではそれも移転。中環には中国外務省のビルもある。時代は変わったのかもしれない。
香港の声 香港の声

ゲルト・バルケ
晶文社
¥2,900
19.5h×14w
 香港「返還」までの日程も明らかになっっていた1980年代の最後の時期、天安門事件前後に香港の多様な階層の人々へのインタビュー。俳優、政治家、実業家、学者、労働者などの香港の現状や将来への希望や不安。あの時期にこのような本がまとめられていたは歴史的記録でもある。「大変だ大変だ!」と煽っているだけのどこかの国のマスメディアと違って、冷静な作品に仕上がっている。いまでも、再読の価値は変わらない。
香港無印美食 香港無印美食

龍陽一
TOKIMEKIパブリッシング
\1,500
B6
 香港人に最も香港らしいものは?と聞いたら「茶餐廳」が1位になったという。この本はその茶餐廳を徹底的に追究した名作である。まず、冒頭からトイレやティッシュの心得から入るのが納得。幅広いメニューの食べ物飲み物を語るとともに、テイクアウトからテータリングまで、茶餐廳文化論に発展している。唯一本文用紙が立派過ぎてページを捲るのが辛い、といったら贅沢だろうか。
上海回味 上海回味

林憶蓮(サンディ・ラム)
Times Edition(シンガポール)
HK$175
26h×23w
(日本語版:My Shanghai 私の美味しい上海
 香港の歌姫、林憶蓮の上海料理レシピ。上海出身の彼女が、生まれ故郷の料理をレシピにしてしまった。もちろん、たくさんの写真は料理も上海も。サンディが1歳の白黒写真は、彼女のお母さんが今のサンディにそっくり!
 なんと日本語版も出版されました。
再見藍戦士 再見藍戰士 中巴紀念圖輯

新美景出版
HK$18
B5
 1998年8月一杯で営業を停止したCMBこと中華汽車バスの記録写真集。そう、冷房車が少ないとかボロクて古い車体ばかりとか運転士が制服着ていないとか、いくらでも欠点を挙げることはできた。でも、水色とクリームに塗られたCMBは香港島にはなくてはならない光景だったのだ。
海の帝国 海の帝国 アジアをどう考えるか

白石隆
中公新書
¥680
新書版
 19世紀から20世紀への海域東・東南アジアをラッフルズのペナン、シンガポール到着の頃から説き起こす。個々の国別史ではなく(そもそも18-19世紀に国民国家などなかったのだし)、海域アジアを舞台として欧米列強の進入による地域変化をダイナミックに語る。
 英国東インド会社のラッフルズの構想に反して、イギリスがシンガポール、香港、上海と進出していった歴史も興味深い。
香港 香港  世界の都市の物語16

陳舜臣
文藝春秋
¥1,762
19.5h×14w
 数多ある香港本とは一味違う。カラー口絵はいかにも香港観光ガイドブック風だが、本文に入るとアヘン戦争頃から植民地化初期の華人の動きから始まり、中国革命で清朝を倒した孫文が香港で活動した記録や孫文をめぐる人々が登場する。
 香港の街を歩くのにも、こういったできごとを知っているのも味わい深くてよい。
阿片戦争 阿片戦争
 上:滄海編中:風雷編下:天涯編

陳舜臣
講談社文庫
各¥780
文庫版
 「HONG KONG」誕生の原因アヘン戦争を叙述した小説。帝国主義戦争の中で虫けらのように殺戮されていく中国兵員と人民。機能しない清朝政府と身を挺して防衛する少数の軍人。香港という小さな土地をめぐる争いのはじまりを知っておくのも、21世紀のコスモポリスを歩く自分にとってもヨイと思う。
香港を離れて 香港を離れて
  香港中国人移民の世界

ロナルド・スケルドン
行路社
¥4,000
A5
 1970年代の香港返還問題の自覚化、1984年の中英共同声明による返還概要の確定、さらにパッテン総督による「民主化」政策による中英トラブルなど、ロンドンと北京の動きは香港を翻弄し将来に備えるためや香港を見限ったりやで多数の香港人が海外の市民権を取得して移民した。
 この本は世界各地での香港人の移民状況を調査したものである。文化人類学の論文を読むような気分になるが、参加した学者の専攻は多様である。読むには気力を要するが一読の価値がある本である。
中国の実験 中国の実験 改革下の広東

エズラ・F・ヴォーゲル
中嶋嶺雄監訳
日本経済新聞社
¥2,900
19.5h×14w
 とう小平の始めた改革開放政策はまず広東省で開花した。それまで広東は遅れた地域だったのだ。1970年代末から80年代に広東は急激に経済発展する。ヴォーゲル教授は1987~88年にこの広東省の調査を行う。有名な経済特別区だけでなく、広東省各地での経済発展に向けての試行錯誤をも包括する。各レベルでの官僚が創意工夫して豊かな社会作りに邁進している姿も見えてくる。
圖片香港貨幣 圖片香港貨幣

鄭寶鴻
三聯書店
HK$150
18h×16w
 古代から20世紀までの香港で使用された貨幣の図版集。写真を主とし簡単な解説が付く。植民地時代は貨幣そのものに加え、発券銀行の変遷も面白い。
香港の水 香港の水

木本正次
日本放送出版協会
¥1,300
19.5h×14w
 香港は植民地開設以来、水に悩まされてきた。都市化した多数の人口を維持するだけの水資源がなかったのだ。この「香港の水」は小説なのだが、1960年代に香港新界での巨大貯水池と送水管トンネルなどの土木工事を行った日本人の物語だ。
 いまでは、水不足のイメージに程遠い現代都市香港であるが、ほんの数十年前に水の確保に努力していた事実を知ると、吐露港の巨大な船湾淡水湖を眺めても感慨が深まる。
中国の神様 中国の神さま 神仙人気者列伝

二階堂義弘
平凡社新書
¥740
新書版
 香港にも天后、文武、洪聖など多種多様な廟が見られる。中国伝統の神仏を民衆の人気を基準に解説したものだ。だから、発生が道教か仏教かなどいちいち気にせず信仰されている神仏を改めて知るのも面白い。漢、唐、宋などの王朝が、神様に格付けを与えたり昇格させたりしてきたという歴史も不思議ではある。
香港-都市のビジョン 香港-都市のビジョン
Hong Kong - City of Vision

Hing Marketing
1995年
HK$250/¥3,000
28.5h×21.5w
 1995年に東京都庁で行われた香港都市計画建築展の記録出版。そのためか、本文は英日の2語表記。
 代表的香港建築物を取り上げ、概要や特徴を示している。個々の建築物だけでなく地域景観や地区計画などもカバーしている。日本語があるので理解しやすい。
香港戰地指南 香港戰地指南

高添強編著
三聯書店
HK$45
20h×14w
 香港で戦争とか戦地といえば第二次大戦期の日本軍の侵略に決まっている。そこから100年前の英国の侵略はささない。そこが英国植民地支配の上手なところではあるが、かといって日本の侵略を薄めるものでもない。
 1941年12月の香港攻略(英側からは防衛)の布陣や防衛拠点を香港各地に取材した資料。高層ビルが林立する現在の香港を眺めながらも、数十年の昔に激戦が行われた海岸や谷、丘をオーバーラップして想像するのもたまには必要かもしれない。
香港日イ占時期 香港日佔時期
 1941年12月-1945年8月

高添強、唐卓敏編著
中聯書店
HK$98
23.5h×18.5w
 第二次世界大戦時の日本軍による香港占領の記録。写真を主に構成されていて日本に対する観念的感情的非難は見られないが、だからこそこの占領が香港人に辛苦を与え不毛であったことが伝わってくる。日本人の手になる懺悔的ルポより遥かにこの戦争と占領の虚しさが伝わってくる。
 でも、日本敗北の後、何故か香港の主は遠くヨーロッパの英国に戻るのだ。
香港華資財團と香港英資財團 香港華資財團1841-1997
香港英資財團一八四一年至一九九六年

馮邦彦
三聯書店
1997年9月初版(華資)
1996年7月初版(英資)
HK$118(華資)、HK$100(英資)
21h×14w
 香港開講以来の中国系および英国系の財閥の発展史。現香港行政長官董健華の父親が海運会社で成功と挫折した頃や、香港ドリームの代表李嘉誠が最初に成功して建てた本社ビルなども判る。戦後は香港を牛耳っていた英系の徐々に華人系企業が凌駕していく過程がドラマチックだ。
 2冊とも相当厚いが資料として拾読みするのにはちょうどいいくらい。
香港身[イ分]證透視 香港身份證透視

鄭宏泰 黄紹倫 著
三聯書店
2004年8月初版
HK$60
23h×15w
 香港人なら誰でも持っているIDカードの歴史と変遷をキチンと記述した本。
 元々は日本占領時に導入された身分証、が1949年の新中国成立後の混乱を契機に、香港を支配していた英国香港政庁が再導入したもの。その後何回も変更を重ねて、現在ではICチップを組み込んだものとなっている。
 記述は判りやすく、中文読解の練習にもよい。
香港翻譯用語匯編 漢英・英漢
香港翻譯用語匯編

顔婉雲 莫詠賢 合編
商務印書館
1997年9月初版
HK$198
19h×13.5w
 香港で使われている、多方面の用語を中国語と英語の双方から引ける辞典。
 熱帯氣旋警告信號(tropical cyclone warning signal)、硬件(hardware)、的士高(discotheque)などパラパラ眺めるだけでもおもしろい。
香港人否極泰來 香港人否極泰來
二〇〇四年運程

袁御庫
天一玄學顧問
HK$48(無料配布)
19cm八角形
 2004年夏、香港の路上で配布されていたもの。小森永キョロさんからもらったのだけど、「アヤシィ!」の一言に尽きる。
 風水の大家らしく、巻頭カラーページでは駐香港各国領事との記念写真や各地での風水チェック活動などが紹介されている。本文内容はもう少し読んでから解説。
 でも、こういう本をうっかり受取ってしまう香港の路上も楽しい。
基本法知多少 中華人民共和國香港特別行政區 基本法知多少

劉清泉 頼其之
三聯書店
1996年7月初版
HK$38
18h×12w
 香港の中国回帰、いわゆる香港返還前にたくさん出版された1997年以降の香港を考える本のひとつ。
 これは、中英共同宣言の後、多くの論争をまき起こしながらも1990年に中国の国会を通った法律で、香港の憲法に当る。一国両制、港人治港、北京の中央政府との関係などを解説してある。1997年までの間、不安や期待を込めてどれほどの香港の人がこの本を読んだことだろう。巻末には基本法の全条文を掲載。
香港特別行政區施政架構 香港特別行政區施政架構

羅永祥、陳志輝
三聯書店
2002年6月初版
HK$88
23h×15.5w
 1997年7月以降の中国の特別行政区たる香港の行政機構の資料。植民地時代からの歴史、現政府機構、公務員、地域行政、さらには公営組織や委員会なども網羅している。
香港飛龍曽蔭權傳 香港飛龍 曽蔭權傳

李葦
次文化堂
HK$50
18.5h×11.5w
 華人初の財政司(植民地時代の財務大臣)、アンソン・チャン後任の第二代香港特別行政区政務司司長(公務員の最高位)、そして2005年には第二代香港行政長官(董建華氏の後任)として香港政界の頂点に登りつめた蝶ネクタイのドナルド・ツァンの伝記。香港を代表する人物の経歴を読むのもいいかもしれない。
 ただし、2002年初版のこの本は政務司司長までの記載。
台湾韓国香港 逍遥游記 台湾 韓国 香港 逍遥游記

藤原新也
朝日文庫
1987年第1刷
¥900
文庫版
 著者藤原新也が(多分)若かった70年代頃いくつもの土地を歩いた紀行である。
 正直のところ21世紀の今これを読むと、若さと時代の空気が重苦しい。むしろ、香港好きの者としては、その頃のつまり東アジアが全然豊かでも先進的でもなかった頃の、香港がこのように見えたのだという記録として読んだ方が楽しいかもしれない。
MOOK香港 MOOK自遊自在 香港

墨刻出版
NT$129/HK$43
28h×21w
 雑誌形ガイドブック。台湾の墨刻出版発行のMOOKシリーズは日本各地を含め世界旅行のガイドブックだ。日本のマップルマガジンに似た感じで、作りも丁寧。
 私は台北で買ったが、台湾の人たちが香港のどこを楽しみとしているかも判り面白い。ほぼ毎年改訂される。
SKYLINES SKYLINES HONG KONG

Peter Moss
From Asia
2000年11月第二版
HK$120(最小サイズの版)
17h×9w
 香港のスカイラインは山の端というより高層ビルの頂の連続でできている、と言ったら言い過ぎだろうか。
 そんな気持ちを代弁するように、香港の多種多様なビルをまとめた本。版の大きさによって3種類ある。建築的特徴や施主を説明し、1点ずつカラー写真を添える。英文。
新香港1000事典 新香港1000事典
小柳淳編著
メイプルプレス
2000年9月初版
¥2,800+税
A5版
 香港の森羅万象を1000件集めて、アイウエオ順に並べた事典。あらゆる分野に及んだ項目は硬軟取り混ぜて香港を語りつくすほど。
 しかもアイウエオ配列だからジャスミン茶の次がジャッキー・チェンビニ本の次が病院だったりと、変化も楽しめる。
香港2010香港1985 香港

香港政府
HK$170(2010版)
24h×18w

写真左 2010年発行の「香港2010」
写真右 1985年発行の「香港1985」
 香港政府発行の年鑑。毎年発行され、香港の1年間のまとめとしては的確。中文版と英文版が発行される。
 行政、法律、金融、治安から住宅、衛生、交通など社会生活全般の項目を網羅し、歴史で終わる。
 1999年発行の版まではタイトルが発行年で内容が前年のものだったが、2000年発行のタイトルは「邁進新紀元」となり内容は1999年1年分、2001年発行からタイトルと内容が一致するようになった。
香港全記録 巻一香港全記録 巻二 香港全記録(巻一、二)

中華書局
1997年7月初版
HK$290、330
29h×22w
 大昔から1997年までの香港のできごとを一、二巻にまとめた本。
 19世紀までは大掴みの時代区分だが、20世紀は1年毎にキチンと区切って叙述している。更に、1950年以降は月別に記録されている。香港の調べものには実に便利。
 いわゆる「香港返還」前後に香港そのものを見つめる出版物がたくさん出たが、そのひとつ。全て中国語。
 とても重たいが持って帰る価値あり。
香港街2011 香港街2011 街道及地名録
HONG KONG GUIDEBOOK2011
Gazetteer of Street and Place Names

香港政府
HK$100
27h×19w
 香港政府発行の香港地図帳。以前はA5だったが、近年大きな版形になった。ただ内容的には民間の出している「香港街道地方指南」と大差なく、わざわざ買うまでもなかった。
 2005年版は全ての詳細地図が同縮尺の航空写真とセットになった。見開き2ページづつ交互に地図と真上からの写真の構成になっている。地図との相互比較で、非常にわかりやすくなった。また、道路名、ビルなどの索引が別冊になった。
 2011年版は地図だけの構成になり、若干の鳥瞰的航空写真が加わるだけ。政府地政總署は編集方針がぶれるようだ。
香港高清大地圖2011  香港高清大地圖

通用圖書有限公司
HK$99(2011年版)
29.2h×23.6w
 2010年夏に出た大判の地図帳。「香港街道地方指南」と同じ出版社であるから、内容は充分に正確。サイクリングロードが記載されているのが、版が大きいこと以上の特徴。
 初版は2011創刊版と銘打ってはいるが、2010年夏に出た。
 香港街道駕駛指南 第14版 香港街道駕駛指南 第14版

通用圖書有限公司
HK$98
24.5h×18.5w
香港の自動車地図。リング綴じで拡げやすい。運転用だけあって、駐停車禁止区間などの規制が色分けで記されている。
また、複雑な分岐やレーン指定をカーナビのように吹き出して表示するなどまさに運転用。バスレーン、有料道路やガソリンスタンド一覧などもあって資料としても便利。
道路使用者守則 道路使用者守則

運輸署
香港特別行政區政府
HK$22(2000年5月版)
A5横
 政府発行の香港の道路交通規則集。道路標識や道路にペイントされたマーク、信号、悪天候時の運転方法などカラー図版で解説されていて、判りやすい。路面電車やミニバス、果ては自転車の乗り方や歩き方(!)まで乗っている。歩き方だけで15ページあるのを見て、香港政府はレッセフェールだったんじゃなかったけ?と思ってしまった。
 たまには、政府刊行物センターを眺めているとおもしろいものに出会える。
香港バトル100kmハイキング 大都会のアルプス 香港バトル100kmハイキング

森Q三代子
2001年10月発行
HK$100
A5
 香港で毎年秋に開催される、マクリホーストレイル(麥理浩徑)を歩く、100kmトレイルウォーカーの全区間の案内。新界東部萬宜貯水池から大老山、城門貯水池、大帽山を経て屯門に至る。香港山海徑倶楽部代表の森Q美代子さんの「実況中継で」楽しめる。
 それにしても、過酷なレースと美しすぎるほどの香港の自然!
 本書はなかなか手に入りにくいのが難点。でも香港でなら、旭屋書店、TOMATO BOOKSで販売中。
OVER HONG KONG OVER HONG KONG
[volume seven]

Kasyan Bartlett
Pacific Century Publishers
HK$380
26h×29w
 既に何回も改訂されている香港航空写真集。香港を上空から眺めて、街を歩いていたときとはまた違った視角に新鮮な驚きを感じる。特に、新界の入り江や湿地が美しい。数年毎に改訂されるので、変化の激しい香港の記録としても便利。
 ヘリコプター遊覧の優待券が挿み込まれていたのはお愛想か。
點滴話當年 點滴話當年 香港供水一百五十年

何佩然
商務印書館
2001年3月初版
B5
 もともと岩山が多く川の少ない香港は水資源が乏しい。植民地化以後の人口増加はをまかなう飲料水も確保は香港の歴史といったいと言ってよいほど。この本は植民地香港成立直後からの香港の水を確保する努力をまとめたもの。
 特に水不足が深刻だった、1960年代など、人口雨の試み(失敗)、海水淡水化(大赤字)、各宗教による雨乞いなど笑うに笑えない、できごとが続く。広東省からの給水や貯水池建設の歴史も記載。
広東語辞典 広東語辞典[ポケット版]

香港萬里機構出版+東方書店編
東方書店
¥2,987
15h×8w
 ほとんど唯一といってよい、広東語→日本語辞典。広東語学習者には必須。
 ハンディな版形で持ち運びやすく、小さい割には見出し語も豊富。唯一の欠点は、声調記号に多少の誤りがあることくらいだろうか。
日本人のための広東語広東語研究 日本人のための広東語Ⅰ、Ⅱ
広東語研究
広東語会話Ⅰ、Ⅱ

頼賴玉華
デイリー共同ニュース/オイスカ文化中心

 香港で発売されている日本人向けの広東語教材。ここで紹介するのは3種5冊。
『日本人のための広東語Ⅰ、Ⅱ』は初級用。発音から入って、2冊で長めの文や会話まで進む。これだけでも習得すればかなり話せるはず。HK$400。
『広東語研究』は長文と単語、用例、文法などで構成された、上級用。HK$350。
『広東語会話Ⅰ、Ⅱ』はタイトルどおり、会話の教材。香港生活での多様な場面が設定されている。2冊でHK$280。
 本書で使われている発音・声調記号は独自のもの(これだから広東語学習者は辛い)だが、なかなか判りやすい。どれも、カセットテープ付き。
拉埋天窗 拉埋天窗
ある香港女性と日本男性の物語

片岡新 李燕萍
青木出版印刷
HK$165
21h×14w
 「廣東話中級閲讀教程」と副題にあるとおり、広東語の教材。半ば実話半ばフィクションらしい2人の出会いから結婚までのお話を20課に分けて教材としている。
 本文に新単語、文形を配するオーソドックスな構成だが、香港広東語をふんだんに用いているので古典的教科書ではお目にかかれない表現も学べる。扮cool(平静を装う)、開O.T.(残業をする)などもしかすると広東省の人には判らない「変な広東話」なのかもしれない。
香港旅の雑学ノート香港旅の雑学ノート、文庫版 香港旅の雑学ノート

山口文憲
ダイヤモンド社/新潮文庫
¥1,200/¥440
18.5h×15w/文庫版
 香港街歩き派の古典的名著。この1冊で香港が好きになってしまった人も多いはず。
 1970年代に香港に滞在した著者山口文憲の呆れるほどどうでもいいようなことを詳細に集めた香港の記録。ただ、さすがに30年近くを経過した香港では、本書に書かれている通り行動したりすると現代の若き香港人たちにイモ扱いさててしまうかもしれない。
アラン・チャン アラン・チャン
 世界のグラフィックデザイン32

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
¥1,165
19h×13.5w
 商品、パッケージ、CI、広告などのアランチャンの作品を解説無しでまとめた小冊子。
愛恨香港的101個理由 愛香港的101個理由

李照興
皇冠出版社(香港)
2000年8月第二版
HK$118
A4
 香港に生まれ香港に育った「香港人」といわれる世代が、香港の面白さ不思議さを書きまくっている。コンクリートジャングル、最後に残ったバラック地区、子供の頃みんな使った「あの」ゴム毬、大陸産品Giordano文化、インスタントラーメン、広告上ケリー・チャンを使う場合の理由などなど。
 たくさんの写真とカラフルな紙面構成。眺めているだけでもおもしろいけど、中文を読んでみようという気になってしまう本。一部の香港好きな人の間では「ピンクの本」なんて呼ばれてもいる。
香港的地名與地方歴史 香港的地名與地方歴史
 (上)港島與九龍 (下)新界
饒玖才
天地図書
2011年4年初版(上)
2012年3年初版(下)
HK$108(上) HK$118(下)
A5
 饒玖才渾身の著作といってもいい。上下二巻で香港全域の地名や風俗歴史を網羅している。
 ゆっくりこれを読んでいると、香港を百数十年も行き来しているような気がしてくる。まだまだ発展途上時代の建築物や施設、新界などでは野鳥や植生にも言及し、深みのある読み物となっている。
香港地名探索 香港地名探索

饒玖才
天地図書
1998年刊
HK$65
A5
 書名のとおり、香港の地名について歴史や現状を整理したうえで、命名の法則や変化についても叙述。中国語地名と英語地名の関係や誤訳など、幅広い。個々の地名の歴史的変遷(明代以降)も一覧表になっているし、地形を表す語(漢字)を一覧にした巻末の表は圧巻。
香港街道命名考源 香港街道命名考源

梁濤
市政局
1992年3月刊
HK$74
A5
 香港島の道路名の命名の歴史や故事を通して説明する。ほぼ1ページ1道路なので、文章量もほどほどで中文でも余り苦労なく読める。
 特に、香港島は植民地の歴史が長いので香港総督や政庁高官のイギリス人の名前が付いた道が多く、19世紀の香港史wぽ垣間見ることもできる。
 なお、出版元の市政局は香港の地域行政機関だが、2000年頃廃止されている。
九龍街道命名考源 九龍街道命名考源

梁濤
市政局
1992年10月刊
HK$64
A5
 上記「香港街道命名考源」の九龍版。香港に比べると、イギリス人の人名を付けた道路が少ない。その分故事なども豊か。ところで、太子道の英名はPrince Edward Rd.なのです。これは、日英同盟相成ったため、1922年にエドワード英皇太子が日本に向かうときに香港に寄った記念に命名されたとのこと。
香港のりもの紀行 香港のりもの紀行

小柳淳
昭文社
1997年7月初版
¥1,333+税
A5版
 香港の街をバスや電車、フェリーを使って歩き回った記録。それも、かなり思いつきで動いたことをまとめた紀行でありる。のりものを使わずに歩いた箇所も多く、その極致は彌敦道を南から北端の界限街まで歩きとおした記録だ。
 現在、既に絶版となっているのが惜しい(自著ですが)。
私の香港歩き 私の香港歩き

小柳淳
自家製
1995年11月発行
無料配布
A5版
 私が香港を好きになり、香港の旅を書きとめてきた文章をまとめた手作り本。
 巻頭文から『数分毎に次々往復しているありふれたスターフェリーは、やはり香港の忙しさのひとつなのにも関わらず、この不思議な時を持っている。私は、この感じが好きで香港へ往復しているのかもしれない。』
 「香港のりもの紀行」の原型になった本。
HONG KONG TRAMS HONG KONG TRAMS
A Close up Guide

Pacific Century Publishers
1998年
25h×18w
香港路面電車の歴史を綴った小冊子。僅か32ページでしかも英文だが、要所を押さえた記述と豊富な写真で使いやすい本となっている。
The Trams 電車 The Trams 電車

龍美童
T.O.S. Limited
1994年
HK$88
 路面電車の絵本。可愛らしい水彩画。
 何故か日英中3語表記(と言ってもほとんどが絵だけど)。著者龍女士はとても日本語が上手で、中英に訳者があるから彼女は日本人なのかもしれない。
 心憎いほど、いい場面を描いてある。
香港電車 香港電車

張順光
三聯書店
1998年7月初版
HK$128
19.6h×19.4w
 香港の路面電車を写真を多用して記述。歴史、キップ、車体などを丹念にまとめている。
 鉄道ファン向けの書籍とは一味違った、一般向けの良質な本。もちろん、資料的にも役立つ記載が多い。
香港巴士 香港巴士

陳自瑜
三聯書店
1999年2月初版
HK$118
18.5h×21w
 著者は香港巴士迷會発起人の1人にして、バス、電車、飛行機等のりものの著作多数、香港のりもの世界の第一人者だ。
 本書は書籍としての構成・デザインとも充分な完成度。バス車体の変遷だけでなく、営業面やメンテナンス、香港社会との関わりなどにも触れている。写真も多くただ眺めているだけでも楽しい。
二十世紀九龍區巴士路線發展史 二十世紀 九龍區巴士路線發展史

容偉釗 編著
BSI公司
2001年11月初版
HK$168
A4
 九龍の路線バスの変遷の記録。20世紀と謳っているが、戦前は数ページで、主に戦後の記録。個々の路線の変化を路線図、経路と主要停留所、使用車体など呆れるほど詳細にまとめている。
 「港島區」「新界東部」「新界西部」「過海隧道路線、離島路線及機場路線」と合わせての5部作となる。
如果香港是個100人的村落 如果香港是個100人村落

黎承顯 趙冬梅
萬里書店
2002年8月初版
HK$38
B5
 「世界がもし100人の村だったら」の香港版。統計を用いて香港社会の現状を判りやすく表現している。
 でも、私が本書を好きになったのは、著者の前書きと後書きによる。この人たちは香港が好きで、自信があって、前向きな気持ちが伝わってくるのだ。植民地の長い歴史の中で、滅茶苦茶に突き進んできた香港の街から、こういう文章に出会うとホッとする。
九巴版圖2003 九巴版圖2003

九龍巴士(1933)有限公司
HK$25
18.5h×11.5w
 KMBこと九龍巴士の路線案内。しかしあの九巴である。全ての路線を図付きで解説しているため、496ページの分厚く重い本になった。「香港街道地方指南」の二倍の厚さだ。
 内容は充実している。地区別バス停案内、地区別観光案内に約4割のページを割き、残りは全て路線別の経路案内図なのだ。同じ路線番号でも往復で経路が違う場合もちゃんと説明されている。
 果たして持ち歩く実用性は疑問だが、資料としては素晴らしい。
人民元・ドル・円

田村秀男
岩波新書
\700
 大陸中国の通貨、人民元をその起源から説き起こし、21世紀の東アジアひいては世界の通貨の中で未来を検討する。返還前後の時期、通貨や貿易、国際収支の面から香港が大陸にとってどのような地位を占めていたのか、いつもと違った視点で見ることができる。
三和銀行香港支店 三和銀行香港支店

立石泰則
講談社
¥1,700
19.5h×14w
 支店開設準備開始の1964年から30年ほどの三和銀行香港支店の物語。銀行が海外へ進出するよりも、商社や事業会社が先に活動しているというのも興味深いが、恒生銀行の破綻や大陸中国との関係など、金融に興味がなくても楽しめる。やや企業広報的なニオイがしてしまうのが惜しい。
香港社会の人類学 香港社会の人類学

瀬川昌久
風響社
¥4,500
A5
 タイトルどおり文化人類学の論文集。値段も高く一般書とはいえないが、香港をじっくり勉強するにはよい。新界地区での女子相続権、葬儀の方法、インド人企業家、離島の祭祀など地味ではあるが基礎的な研究。
香港 移りゆく都市国家 香港 移りゆく都市国家

中嶋嶺雄
時事通信社
¥1,800
19.5h×14w
 中嶋先生のこの本は香港を知ろうとするものにとっての基本テキストと言ってもいい。香港の歴史と中英による返還交渉を詳述している。香港が好きな人、是非どうぞ。
香港物語
 繁栄の軌跡と将来像

ディック・ウィルソン
時事通信社
¥2,800
19.5h×14w
 1990年にイギリスで出版された「HONGKONG! HONGKONG!」の翻訳である。日本語版出版前に最後の香港総督パッテンが就任するにあたり、加筆修正された内容を反映している。
 香港「返還」前の揺れに揺れていた時期に出版されたにもかかわらず、本書は冷静に香港の歴史と現状を記述し、香港の将来に対して楽観的な展望を示していた。ジャーナリストの手によるためもあって、各階層の香港人および香港に関係する人々に対する多数のインタビューを含んでいるのも特徴。21世紀の現在でも、一読の価値ある本である。

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