黒斗GM:@
人類生存圏よりも、はるか北。異貌領よりも、はるか北。
生き物らしい生き物さえもとんと見ぬ、植物らしい植物もまた枯れ果てた、雪に覆われし、未だ人類未到達、雪原の大地。

からりと珍しくも晴れ渡った、冷えた空気のせいか青々とした夜明けの光さえまともに届かぬ、ぽつんとした洞穴。
暗がりばかりが広がる洞穴の中で、のそりと斬られ突かれ殴られ腐らされ死に至った程の身体を起こす者が居た。

黒斗GM:@
彼が、幾度目かの死より目覚めたとき、彼女は、居なかった。
ぐるりと、見回しても。よたつく足で、探し回っても。ふるえる手先で、探り回っても——……
きらきらと眩く輝く棺に収められているはずの敬愛すべき主は何者かに持ち去られ、居なかった。

何時間経ったか、何日かもしれない、飲まず食わずで巡り続けた歩みを止める。

黒斗GM:@
なんとなく、どことなく、
狂った頭の中に残っていたのは、己を幾度目かの死に追い込んだ戦士たちの姿——。

美しき金の髪をなびかせ、戦斧を駆る騎士。桃色の髪が桃色の軌跡となるほど疾く駆けた、幼き剣士。
猛火がごとく燃え猛るような雄叫びを発していた、腐食の鬼。どこか見覚えすらある儚げな魔力光を発す死霊術師。

黒斗GM:@
どことなく、なんとなく、
狂った頭に理路整然とした考えなど浮かぶはずもないのにその足は歩き始めた——。

『————————————!!!!!』
悲哀とも、妄念とも、尊敬とも憧憬とも何とも言えぬ咆哮を上げ、その足はすぐに歩みから走りへと変わり……
狂えし〝不死身〟の異貌剣士は、かつてはその腕一本を取るためだけに大天使の命をすら危うくさせた程の男が、今や変わり果てたその姿を奔らせる。
人類未到達の北の大地から、人類が未だその地に根を下ろす東方三国連盟へと駆け出した。

黒斗GM
——『狂剣、舞う』——
開始

黒斗GM:@
黒斗GM:@所変わって
黒斗GM:@
黒斗GM:@
人間領、東方三国連盟、唯一の港町にして西方大陸との連絡橋でもあるデジマ。の、月光デジマ支部。

ここには昨年、メンバー一行がとんでもないものに乗ってとんでもないところまで行ってとんでもないものと戦ってひっどい目に遭ってまで苦労して運んできた、
〝先代制空〟ファルファッラ・ラプター・カリュオンの遺体が納められた棺が収納されている。

黒斗GM:@
筆舌に尽くしがたいほどの苦労は、紫二つ編でも見ながら思い出して貰うとして。それはさておく。

黒斗GM:@
透明度の高い水晶で形作られた、光を当てれば光を幾倍にもして跳ね返す水晶のようなもので形成された、巨大な岩塊のような形をした美しき棺である。
その中に収められている彼女もまたこの世のものとも思えぬ美麗であることも合さり、一種の芸術作品とも言えそうな……

黒斗GM:@
この棺には搬出口などはないので彼女を取り出せず。
よって彼女の遺体を調べることもままならず。
かといってこのまま放置しておくわけにも行かぬ故、
地下奥深くにそれ専用の設置できる空間を創りそこでリフェール他魔術等々に覚えのある面々が調べていたのだが……

黒斗GM:@
なんでも最近、そこに、幽霊が出るらしい。

黒斗GM:@
別段何か危害を加えてくるわけでもないが、非常に作業の邪魔になるとかなんとか。
集中力的な意味で。

黒斗GM:@
ちょっとお前等、そういうことに何かと経験があるお前等、行って見てこい。
との命令がベル支部長より下された為、メンバー一行はまずはリフェールとの合流のため近所の喫茶店で待ち合わせをしているのであった。

黒斗GM:@ここから開始です
イオン:とりあえず幽霊が出るまではいいとして、単に邪魔だからどうにかしろって辺り幽霊も出てき損だと思うの(
エイル:(経費で落ちると聞いてメニューの端から注文している)
エイル:ワカメ>魔術に覚えのあるメンバーも居るのに、それでも何とかできないってことは余程厄介な幽霊なのかもね(紅茶啜りつつ)
イリナ:(窓際の席で、寄り添うように座っている白竜と幼女。)
イオン:幽霊(物体)とかー?(
黒斗GM:クロエ>それはもう幽霊じゃないですよ(
イリナ:私、そういうの全然詳しくないけど…役に立つのかな?
イオン:大丈夫なの、知らなくても何とか出来るの。物理で(
イリナ:…(訝しげな顔をしている竜と幼女)
エイル:幽霊の類は何度か相手をしましたが、何とかなるものですよ。物理で(
黒斗GM:リフェール>詳しくないからこそ、ということもある。魔術師では把握・理解の難しい魔術的現象を、他の分野の何の見解もない者が解明する、よくある話だ。
@(赤い外套を羽織った、髪の色は時々変わるが本日は黒と紫を一房ずつ染め分けたような髪を一括の青年が、席にやってきた)

黒斗GM:リフェール>お待たせした。
黒斗GM:@(リフェール。西方大陸、ソレイユ魔術学院卒業生にして懸賞金額二十七億八千万 をかけられた国際的犯罪者。〝エーテルの風〟と呼ばれる生物に対し強制的変異を促す特殊術式を無差別に繰り出し、幾つもの街や村を壊滅させてきた。現在 は、異貌領との取引中にメンバー一向に捕縛され、月光の捕虜として、月光が有する特殊物件や術式の調査・解明に従事している。実は、ワカメと同い年)
イオン:久しぶりなの、先にやってるよ。(テーブルの上をうめつくす料理を前に)
イリナ:…(査定中。…見た目的にセーフ、かな。)
黒斗GM:リフェール>相変わらずよく食べるじゃないか、ああ、おひさしぶり。……そちらのお嬢さんは初めまして、私はリフェール。極悪人だ。(イリナに握手を求め、左手を差し出し)
イオン:ものすげえ自己紹介なの(
エイル:ワカメ>まったくその通りだね(
エイル:(平然とパフェを3つ同時に食べながら)暫くぶりですね
イリナ:初めまして…私はイリナ・H・シノミヤ、こっちはマリー。(恐る恐る握手する)
イオン:(ホットケーキを一口で丸呑みしつつ)
黒斗GM:リフェール>私がやってきた所業は世間一般には大罪とされるものだ、調べれば分かることを詐称する意味も無いからね。
黒斗GM:リフェール>(ぎゅっと小さく握り返し、手を離す)よろしく、イリナ嬢。
イリナ:私も、『けんしょうきん』っていうのがかかってるみたいだけど…えっといくらだっけ?
イオン:どう、すごい普通のリアクションでしょう?(
イオン:52.9億Lなの。
イリナ:そのくらいみたいだけど…
エイル:ワカメ>ハハッ、懸賞金合計額がまた跳ね上がっちゃった
黒斗GM:リフェール>(着席)ふむ、それはまた高額。何、気にすることはない。私のほうが懸賞金額は少ないが、私のほうがひどいことやってるよ。
イリナ:(大丈夫…ぎりぎり大丈夫…)(言葉の合間にぶつぶつ呟いてる/xa)
黒斗GM:リフェール>さて、それでは、本題に入ろうか。何でも……その、なんだ。幽霊? 自分は見ていないから何とも言えないが、そういうのが出るそうだ。
イオン:どんな形してるのー?
エイル:剣で切れる形だと助かるのですが
黒斗GM:リフェール>本来なら君達を入れる必要もなければ、本音を言えば門外漢である君達を入れたくないのだが、他がどうしてもと……
ああ、それがね。不定形だそうだ、姿をはっきりと見た者はいない。なんでも、こう、ぐにゃぐにゃ~っとした光の塊、だとか何とか。

イリナ:…マリー、何でこんなにみんな冷静なの…(ついていけてない幼女)
イオン:光の塊。…毎日徹夜で張り付いてる魔術師の夢とかじゃないのー?
黒斗GM:リフェール>私もそう言ったのだが、私以外の人間が皆して見たと言うのだよ。
エイル:剣で切りにくそうですね……(若干しょんぼりしている)
イリナ:あんまり狭いと、マリーは戦えないの…
イオン:その部屋ってどの程度まで壊していいの?(
黒斗GM:リフェール>一応今のところ、誰かが怪我したとか、誰かが意識混濁に陥ったという話は聞いていない。なれば穏便にことを済ませて欲しいのだが……
イリナ:穏便にって…私幽霊とか見たこともないし…
エイル:ワカメ>まぁ、今回は調査がメインだし、戦わなくても解決策が見つかれば良いさ
黒斗GM:リフェール>……万が一実力行使して排除することになっても、棺だけは壊さないで欲しい。あんな一品物を目の前で破壊された日には私、月光から出奔しかねない。
黒斗GM:リフェール>戦うにあたって、広さは問題ないだろう。縦は四十メートル、四方二十五メートルの空間だ。
イオン:それはスフェラ含む魔術師達が悲鳴あげそうだし努力するの。
エイル:ワカメ>ルナとイリナなら交渉って手段も取れるかも知れないしね、と。
あの棺壊したら何が起こるか分からないから最大限気を付けるよ

イリナ:火炎放射は使えないね…また別のものを探さないと…(思案中)
黒斗GM:リフェール>くれぐれも、破壊しないでくれたまえ。出奔する前には最大出力で風を吹かすことも厭わない覚悟だ。
イオン:気をつけますなの(
イオン:うーん、それにしたって情報が少ないの。他になんかないのー? ぐにゃぐにゃしてた以外にも、うねうねしてたとかオヒサマーって言ってたとか。
エイル:夜に視察に来たジャギの頭だったってオチじゃないよね(
エイル:@ミス ワカメ
黒斗GM:リフェール>他にか。うむ。他には……うねうねはしていたらしいが。ジャギ支部長の額は主に強く光を反射するのでうねうねもぐにゃぐにゃもしまい。
黒斗GM:リフェール>声らしい声は聞いていないそうだ。あと、そう、必ず出現する時は棺の前らしい。動くこともあるそうだが、大体棺の周りをうろうろしているとか。
イリナ:今回は、マリーだといろいろ壊しちゃって危ないから、私だけでやらないといけないのかな。
イオン:まぁ、危なかったらこっちでもフォローはするの。んー…とりあえず今のところなんだかはさっぱりわからないってわけでオーケーっぽいの。
黒斗GM:リフェール>うん? ああ、いや、一応。一応だぞ、ちょっとやそっとのことでは棺は壊れない。
エイル:ワカメ>エクトプラズムってやつかな。なんにせよ棺の主に関係のある何かってことか
黒斗GM:リフェール>そうだな、君のその、隣のマリー? 彼女が全力で体当たりしてもへこむぐらいだが。君達がそれぞれ全力で壊しにかかったら危う……。
黒斗GM:リフェール>……しつこいが。くれぐれも、壊すなよ。
エイル:だ、大丈夫ですよ。安心、してください(目が泳いでる)
イオン:前向きに善処するの( まぁ、壊したら中身ちょっと欠けましたとかならまだしも、中身が目を開けたりとかしたら笑えないしー。
エイル:そうなったらデジマごと壊滅しかねないですしね
イリナ:マリーは、ガトリングと、荷電粒子砲と火炎放射が使えるから…私、お手伝いしか出来ないですけど、頑張りますから。
黒斗GM:リフェール>……不安だ。とてつもなく不安なので風の起動準備はしておくことにしようと思う。それでは、行ってみようか?
イオン:準備はしないでいいと思うの( じゃあ行こうか。
エイル:……お守りとか必要でしょうか?
黒斗GM:リフェール>私が持ってる。私は幽霊苦手だ(
黒斗GM:@
黒斗GM:@それでは場面転換
黒斗GM:@
皆は、主にエイルとイオンは喫茶店で注文した料理を食い尽くした後に、デジマ支部へと向かう。
見慣れた建物の中に入り、見慣れた通路を突き進み、見慣れぬ小さな小屋とその中にある小さなエレベーターへ乗り込む。
エイルの大きな鎧とマリーの巨躯できっつきつになってちょっと酸素足りなくなりながらも下へ下へと降りて行く。

黒斗GM:@
それなりに酸素不足を楽しむ羽目になってからようやく到着したそこはリフェールの言葉通り、高さはおおよそ四十、四方は二十五ほどの、コンクリートで形成された空間だった。
中央には例の棺が安置され、周りには無数の調査用魔術式が展開され、更にその周りにはより無数のコードとそれに繋がるコンピュータの数々を、スポットライトが照らしている。

黒斗GM:@
相変わらず、美しい、その一言のみを追求したような棺とその中に収められた先代・制空の御姿。かつて魔術界の伝説にして創作という分野における一つの頂 点、〝人形師〟マスター・エイボンがデジマで開催された(ダンタリオンが余計なことしたせいで御破算になった)美術展に寄付したかの、目を覚まさなければ 不自然ささえ覚えるほどに造られた人形に通じるものがある

黒斗GM:リフェール>……っく。こ、ここだ……(詰め詰めになったエレベーターからなんとか脱出し、襟と呼吸を正して、掌で示す)
イオン:空気が美味しいの(
エイル:(酸素不足に喘ぎながら)……もしかして、二手に分かれても良かったのでは?(
エイル:ワカメ>(真っ先に酸素不足で目を回してる)
イリナ:マリー、ちょっと苦しかったけど大丈夫だった?(死人補正で酸素消費量が少ない二人)
黒斗GM:リフェール>たしかに、二手に分かれたほうがよかったかもしれない……帰りはそうしよう。
イオン:(深呼吸)…ふぅ、そういえばアレを見るのは久しぶりなの。
イリナ:そんなに苦しかったかな…(マリーの背中に乗って移動)
黒斗GM:リフェール>苦しかった。私も酸素消費量は少ないほうだと思ったが、いや、それよりもだ。(棺の前に立つ。丁度、二メートル半ほど手前だ)ここ。ここに、出るらしい
黒斗GM:リフェール>他の研究員は避難させてあるので、戦るなら、壊さずに、戦ってくれ。今は、居ないようだが……
イリナ:…出てくる場所に誰
イリナ:か立ってたらどうなるのかな?
イオン:じゃあ近づいてみる?
エイル:時間帯としてはいつ頃が多いのですか?
イリナ:…マリー、ちょっと待っててね。(ぴょんと飛び降りて、出てくる所に立ってみる)
黒斗GM:リフェール>不定時。何時だろうと関係なく出て来るそうだよ、朝のときもあれば夕方のときもあるそうだ。
黒斗GM:リフェール>全て私の居ない時というのは幸いなのは不幸なのか。(イリナに場所を譲り)
イリナ:此処に立ってたら出てこなかったりするのかな。(ちょっとワクワクしてる)
エイル:ワカメ>(ニュっと復活し)背後に居たのに気付かなかっただけじゃないのかい?
イオン:リフェールはどんだけ幽霊嫌いなの(その辺をウロウロしている)
エイル:エイル>ふむ、では私も嫌われているのですね、霊の一種ですし……(気を使って距離を取る人)
黒斗GM:リフェール>嫌ってはいない、苦手なだけだよ、お気遣いありがとう。君は触れるから問題ない。
エイル:ワカメ>とにかくまずは情報収集だねー、その幽霊ってやつはカメラに映ってくれるかな(棺が映るように動画撮影用のカメラを設置しつつ)
黒斗GM:リフェール>私に限らず、召喚術の使い手や魂の扱いに長けた者でないと、魔術師は凡そこんなものだと思うがね。自分たちが触れぬ扉は嫌うものだと。
イリナ:(カメラに向かって手を振ったりしてる)
エイル:ワカメ>まぁ何かと迷信深いのはあるかもね、昔ながらの魔術に拘る一派とかだと未だに神仏に生贄を捧げたりするし、そういった存在は恐れもする
エイル:ワカメ>(そんなイリナを激写してる)
黒斗GM:リフェール>そういう意味では私はクラシック派だよ。クラナ・イシュハでもあるまいし、全ての扉に触れようとするなんて人間業でないことはするつもりもない。
イリナ:私も一回死んじゃってるから、お化けって言えばお化けなのかなぁ…
イオン:ワカメがすごいナチュラルに盗撮をしているの(
エイル:ワカメ>本人同意の上なら盗撮じゃないさ(
イリナ:(カメラが珍しいのか、ものっそいはしゃいでる)
イオン:めっちゃはしゃいでいるの!(
エイル:ワカメ>そうなの? 君ならできそうだと思ったけどね
イリナ:マリー!見て見て、カメラだよ!(ポーズとか撮ってる幼女)
エイル:ワカメ>はーいこっち向いてー、はーい笑ってー、そうそう、チーズ!(物凄い勢いで写真が増えている!)
イリナ:@今日誤爆が多い…
黒斗GM:リフェール>私が得意とするものは風と無の系統だよ、たしかに他の系統もそれなりにこなせるし召喚術も知識として齧るが、扱えるかと言うと話は変わってくる。
エイル:微笑ましいですね。……背景が棺なこと以外は(
イオン:というかワカメ、ちゃんと棺ははずして取らないとその画像売れないの(
エイル:ワカメ>問題ないさ、こんな時の為に通信教育でフォト○ョの使い方はマスターしているよ(
黒斗GM:リフェール>一説によれば、クラナ・イシュハはありとあらゆる魔術の原型となるべ きものを扱えたと言う。故に全ての扉に触れ、開け、幾つもの異なる魔術を同時に操りこなしたと。何をどうしたらそんなことが出来るのか、正気の沙汰ではな いし、正気の沙汰というと私も怪しいと言えばたしかに怪しいがそこまで人間があるべき道を踏み外す気は……(なんか愚痴っぽい)
エイル:ワカメ>クックック、ほんのちょっとばかりは気が有ったから愚痴になってるんじゃないかい?
黒斗GM:リフェール>……っは!? い、いや、決してそんなことは……。
イリナ:♪(もはや幽霊とかそっちのけでカメラに夢中。)
イオン:リフェールがうっかり失言をしているの( にしても出ないねー。
黒斗GM:???>『……〝この時代〟の特異点、そしてこの時代唯一のエーテルの担い手。珍客万来、とは、こういうことを言うのだろうか、ファルファッラ』
エイル:ワカメ>魔術師なんてたいがい正気の沙汰じゃないし、目指せるなら博打を打ってみるのも面白いと思うけどなぁ。……はぁ、でもやっぱり現実ってやつも憎らしいぐらい立ちはだかるよね
エイル:……今喋ったのは、誰ですか?
黒斗GM:リフェール>現実という場所に身をおく以上は、現実というこの世界こそが壁となる。皮肉な話だよ、やはり君とは話が合うな、エドワード君。……? うん?
イオン:ん?
エイル:ワカメ>気のせいじゃない?(
イリナ:?(周りをキョロキョロ見回す)
黒斗GM:@——呼吸が、狭くなったような。体温が、急激に下がるような。まるで、心の臓を鷲掴みにされたような圧が、部屋の中を覆う。なんの、前触れもなく。
エイル:ワカメ>……幽霊ってこんなに自己主張激しかったっけ?(後ろに思いっきり下がりつつ)
イオン:私の知っている幽霊はこんな威圧感出した覚えはないの。
黒斗GM:@かつて、リロルを前にした時のように。かつて、ハシヒメが襲いかかってきた時の ように。かつて、鋼鉄将軍を目の前にしたときのように。そして、それらに対し臨戦態勢に入った支部長達を見た時のような。並の圧力ではない、百戦錬磨と謳 われるほどになった戦歴を誇る皆でさえ過去に数度しか体験し得なかった、桁外れた怪物達を前にしたときの、この感覚——!
イリナ:ひぅっ…!(今までそのような経験がなかった彼女は竦んで動けなくなる。)
黒斗GM:リフェール>私の聞き及んでいる幽霊も話と違う。(棺の前にある幾つもの計器に目をやり)計算機には、反応ないが。このプレッシャー……一種の到達者クラスと見る。
イリナ:(辛うじてマリーがイリナを庇うように立つ。)
黒斗GM:リフェール>(そのマリーを前に庇うように前へ出て)何が実害がない、だ。まったく……皆も、辛いならば私の後ろへ。多少、楽だろう。
イオン:そもそも声も音も聞かなかったとか言ったよねっ? 大分話が違うの!(軽くステップ踏んでリフェールの後ろに飛び込んだ)
エイル:やれやれ、ウサギを狩りに出てドラゴンに出くわした気分です……!(守りを固めるように皆の元へ一足飛び)
イリナ:ま、マリー…(あまりの威圧感に泣きながらマリーにしがみつく。マリーはイリナを器用に自分の上へのせる。)
黒斗GM:@(リフェールの後ろへと来れば、彼自身の存在感が故か、多少心臓を握られている 手が緩められるような感覚を覚えた。懸賞金額こそ皆の平均からは凡そ下とはいえど、さすがに怪物クラスの内に数えられる者の一人。幽霊と聞いて若干青ざめ ていた顔も、威圧感を受けると『自身が触れられぬ扉』とは認知しなくなったのか血色を取り戻している程だ)
黒斗GM:リフェール>研究員には、後でよ~く言っておく。
イリナ:こ、こんなの…私じゃ足手まといだよ…
イオン:で、結局アレは何なのかって話なの。
黒斗GM:リフェール>これだけの圧力を以て尚、殺意は感じられないな。さて……。
エイル:イリナ、落ち着いてください。逃げるにも生き残るにも、そして交渉するにも。相手を良く見る必要があります
黒斗GM:@——皆が酸素不足に陥りかけた、小さな小さなエレベーターの、そのわずか前。ふわりと、うねるような、光が現れた。
イリナ:ぁ…ぅ…は、はい…(辛うじて皆が目を向けている方向に目を向ける)
イオン:…また何か出たの。
黒斗GM:@不定形。何れの光源の反射とも言い辛い、影らしい影も作らない、非現実的な光で あった。それは、一歩進み出るようにその身をうねらせ、一振り手を振ると同時に弾ける。幾つもの、幾つもの、幾つもの破片に砕かれた光は散り散りになって も未だうねって落ちていく、まさに中央。輪郭がややぼやけた、やはり影の無い、人影が立っている。
エイル:ワカメ>うわー、出た
イオン:あれだけ出てれば何の問題もなかったはず…でもないの。
黒斗GM:@
ライダースーツのようにも見える異貌の革を使っているのであろう茶褐色の鎧の上から襤褸にも似た意匠の漆黒のローブを纏い、頭には大型の牛を象ったかある いは牛からそのまま引き抜いてきたような被り物を載せ、顔には何十にも包帯を巻き付けていたが僅かに見える右上からは人間の顔のようなものが覗いている、 人型。黒い眼窩に、青い瞳の、異形。

出来の悪い映写機のように輪郭がぼやけ、姿だけを見れば今直ぐにでも掻き消えそうだというのに、それからこの世界に幾つもないほどの威圧感を纏っていた。

黒斗GM:???>『御機嫌よう、まさしくもってこの時代の勇者達。とは、いっても、姿が見えるかどうか。声も、聞こえているかどうか……』
イオン:めっちゃ聞こえているの。
エイル:ワカメ>(聞えたくないなぁ)
イリナ:勇者…?
エイル:勇者業は引退しました。聞こえてはいますよ
黒斗GM:???>『……驚いた、聞こえているのか。なるほど、芽は出たか。芽を出したのは誰か、いや、今のお前たちには意味のない問いかけだった。忘れて構わぬ』
イオン:で、一体お前は誰なの。幽霊って聞いてたけど。
黒斗GM:???>『牙も身体も失った今の我の圧に一喜一憂している現段階では、まだまだ無意味』(小さく、肩を竦めて)『我が身が誰かは、まだ、重要ではない』
イオン:なんか基本上から目線なの( じゃあ何が重要って言うの?
黒斗GM:???>『重要であるのは、今のお前たちが、立場や時代も関係なく、私とファルファッラの時間の邪魔になるということだ。簡単に言えば、出歯亀されるのが嫌なので退け』
イオン:よくわかんないけどそう言うなら何かもやっとしたものになってないで完全に透明になってろって話なの。
イリナ:ごめんなさい、何言ってるのか全然わかんない…
黒斗GM:???>『ん~。……流石に時代が違うと、言葉を砕くのが面倒だ。あ~。……恋人の逢瀬というのがあるだろう、それを邪魔されたくない。声が聞こえるお前たちは、邪魔だ』
黒斗GM:???>『姿も認知できず、声も聞こえないのならば、塵芥と同義だが。こうはっきりと認知され聞こえているなら邪魔くさくて敵わぬよ』
エイル:はぁ。場所的に邪魔とおっしゃるなら移動するのは吝かではないのですが
なにやらその逢瀬、人類的には非常に危険な気がするのですが?

イオン:こっちだって別に好きでリア充の邪魔したいわけじゃないの(
黒斗GM:???>『気がするだけだ。彼女は話せぬし、私の発する言葉で人類が何か進展を得るということも……。……う~む』
イリナ:き、危険じゃないなら…帰っても、いいけど…(一刻も早く帰りたい空気)
黒斗GM:???>『得ないこともない、か。いや、自業自得でもある故黙っていてもよいが、かといって奴が今デジマに攻め込むのもな』(肩を戻して、腕を組み、指を顎に添え、考え込み)
エイル:ワカメ>奇遇だねイリナ、僕もすごく同じこと考えてた(
黒斗GM:???>『彼女もあのようになった奴の姿をそう何度も見たくはなかろうし……う~む……』
イオン:何か一人で色々考えてるの、もやもや。
黒斗GM:???>『(考えが終わったようで、表情こそあまり伺えないが、顎に添えていた指を離し、皆へと向け)稀有なことではあるが、一つだけ、我から助言を発そうと思う』
黒斗GM:???>『デジマにおいて多大な人的被害を被りたい、というのであれば、止めるが。如何する?』
エイル:ワカメ>いやいや聞けるものなら何でも聞きたいしお願いしたいね。都合が悪かったら聞かなかったことにするしさ(
イオン:ワカメに大体賛成なの。
イリナ:うん、情報はないと困るから…
黒斗GM:???>『宜しい。それでは……ファルファッラ、彼女を敬愛して止まぬ臣下のうち、その敬愛のあまりかの時代すら生き残り抜いた猛者がな。ノアゼット、という、者だが』
黒斗GM:???>『あれが今、デジマを目指して一直線にこちらへ向かっている』
エイル:ワカメ>……は?
イオン:え?
イリナ:……?(くびかしげ)
黒斗GM:???>『疾く止めよ。不死身の男がかつての力を取り戻す、その前に』
エイル:ワカメ>全力で逃げたい。タカミネあたりまで(
イオン:同感だけどあれ、放っておいたらガチでデジマが大虐殺されちゃうの
エイル:しかし、そう簡単に止められるものかという問題がありますね
黒斗GM:???>『あの男は全てを裂いて、彼女を持ち帰るぞ。持ち帰ることに異論はないが、こんなところでデジマを血の海にされるのは我が本位では無い』
黒斗GM:???>『簡単には止まらぬだろうが、此処へ辿り着く前には止めたほうがよい。道筋は極々単純だ、北からここへと一直線に進んでくるので、待ちぶせは容易かろうよ』
エイル:ワカメ>なるほど、道すがらにえげつない罠をこれでもかって用意すればいいんだね
イオン:下手に策を凝らす必要はないけど、純粋にきっついの。
エイル:ふむ、しかしデジマを血の海にするわけにもいきませんからね
黒斗GM:???>『疾く、である。……キリサキは、知っているか、若き勇者達よ』
イオン:知ってるのー。
エイル:ええ、まあ
黒斗GM:???>『全盛期ともいうべき時代のノアゼットはな。腕一本の代わりに、奴を一世代交代させたほどの武芸者よ。まだ、そんな奴とは相見えたくあるまい』
黒斗GM:???>『疾く止めよ。奴が完全に力を取り戻す前に』
エイル:ワカメ>まだ、というかずっとお会いしたくないよそんなの(
イオン:まぁ行くしか無いってことだけは分かったのー…(げっそり)
エイル:ワカメ>あー、つまりノアゼットがデジマに到着するとその全盛期ってのに巻き戻るという事かな? まったく、僕らはお化け調査に来ただけなんだけなぁ(ゲッソリ)
黒斗GM:???>『正確に言えば、こちらに向かいながら力を取り戻しつつ有り、デジマに到着する頃には全盛期の時代に立ち戻る頃合いと一致する、といったところだ』
イオン:オゥ……
エイル:それは、急がないといけませんね
エイル:……仕方ありません、聞きたいことは後にして、直ぐに向かいましょう
黒斗GM:???>『では、征け。我はしばし、ここで彼女と語る。お前たちが戻る頃には、我もここから立ち退いているよ。……それではな、勇者達よ。何れ、できれば、肉を持った時に語り明かそう』
エイル:ワカメ>生きていればね(エレベーター動かしつつ)
イオン:そうするの、しにたってこれから生きるか死ぬかって時に化石のカップルを背にしていかなくちゃいけないこの微妙な気分はどうしたものかなの。
黒斗GM:@
皆が改め、急ぎ故また一緒くたになってエレベーターに詰め込まれ、上へ行く頃にはまた酸素不足になるだろう箱の扉が締まるとき。
ぼやけた異形は皆に背を向け、座り込み。両腕を広げ、何かを彼女に聞かせるように喋り始めていた。

黒斗GM:@