オオミズアオ

大水青 (ヤママユガ科)


羽化直後の春型♂
2004/4/1 君津市向郷
オオミズアオ 本州亜種 (ヤママユガ科 ヤママユガ亜科 ヤママユガ族)
Actias artemis aliena  Butler, 1879
分布 国内: 北海道、本州,四国,九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬,種子島、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 中国大陸、東シベリア、千島に原名亜種が分布する。
変異 形態: 北海道産は原名亜種、屋久島産は別亜種(ssp.yakushimaensis Kishida, 1994)とされる。
季節: 明瞭。春型は外横線が鮮やかな赤褐色で翅表の青みが強く、夏型は外横線が黒褐色で翅表が黄緑色になる。
性差: ほぼ同型。翅形や斑紋に差はないが、♂は♀より触角が長く両櫛歯状。
生態 環境: 食樹の生育する環境で、主に広葉樹林が中心。里山に多い。環境適応力はやや強く、食樹さえあれば市街地の公園や街路樹などにも発生することがある。
発生: 年2回。4月上旬~5月、7月~8月に見られる。
越冬: 。樹林林床で落葉にまみれた油紙状の粗末な繭を作り、中で蛹化して越冬する。
行動: 夜行性。夜間燈火によく飛来し、翌朝街灯の下などでじっとしている個体を見ることが多い。活動はあまり活発でなく、飛翔は緩やか。
食性 幼虫: 食植性/やや広食性の傾向を示し、ブナ科(コナラクヌギ、ミズナラ、カシワ、クリシラカシ、アカガシ、アラカシなど)、バラ科(サクラ類)、カバノキ科(シデ類、ハンノキ類、カバノキ類)、ヤナギ科(ヤナギ類)など多くの樹木につく
成虫: 不食。口器が退化しているため何も食べない。
類似種: 同属のオナガミズアオに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: やや大型の美麗種。和名はその色彩から。種小名の「artemis」はギリシャ神話における月の女神の意。普通種だが個体数はそれほど多くない。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、大型の造網性クモ類など。
寄生: 幼虫ではヤドリバエ科の一種が知られるが未同定。他にヒメバチ科アメバチ亜科のマダラオオアメバチ(Stauropoctonus bombycivorus (Gravenhorst, 1829))。卵に寄生するホソナガコバチ科のシロオビタマゴバチ(Pseudanastatus albitarsis )などが知られる。



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